J3富山のDF安光将作がJ初ゴールで勝利…3戦ぶり白星で11位に浮上
◆明治安田生命J3リーグ 第8節 富山1-0北九州(6日、富山県総合運動公園陸上競技場) カターレ富山は、1-0でギラヴァンツ北九州に勝利。3試合ぶりの白星で、順位は11位に浮上した。序盤から一進一退の攻防が続く中、後半3分に左サイドバックの安光将作(24)がこぼれ球に反応し、ゴール右隅に豪快シュート。プロ3年目でJリーグ初ゴールを決めると、ゴール裏スタンドに向かって喜びを爆発させた。試合後、インタビューを受けた安光は「(初ゴールは)めちゃめちゃ嬉しかったです。後半の最初だったので、思い切ったプレーをしようとチームで話し合っていた。ボールが転がってきたので、シュートしか考えていなかったです」と笑顔を浮かべた。 法政大を卒業後、2年目となった昨季は34試合に出場し、チームの主力選手として成長。貴重な経験と共に、大きな手応えをつかんだ。「サッカーは技術だけではなく、メンタリティーが大事。本当に勝ちたいという強い気持ちを持っていると、言動や振る舞いもすべて変わってくる。それがサッカー選手としてのベースになると感じました」と振り返る。今季は開幕4試合をスタメン出場した一方で、最近3試合はベンチスタートとなったが、決して愚痴をこぼすことなく、試合に向けて準備。法政大の後輩であるMF高橋馨希(22)は「大学の頃からトレーニングでも自己管理が出来ている。いつもポジティブに声をかけてくれます」と話すなど、常に前向き思考で取り組んできた。 3戦ぶりの勝利でチームの雰囲気も上向きだ。3月30日の琉球戦では1-3で敗れ、この日はスタメン6選手を変えて挑んだ。小田切道治監督は「自分自身の問題でもありますが、最近は相手に合わせて攻撃することが多すぎて。自分たちの攻撃の形を整理し、このメンバーを選択しました」と決断。5試合ぶりの出場となったGK田川知樹(21)は安定したセービングを見せると、4試合ぶりスタメン出場のMF高橋も攻守のつなぎ役として奮闘した。高橋は「試合に勝てたら、ロッカールームの雰囲気も良くなるし、スタジアムの笑顔も増える。勝つことが大事です」と明るい表情を浮かべた。 今季8試合を終えて、2勝2敗4分と勝率は5割となった。J2昇格争いには出遅れているが、安光は「去年の結果(リーグ3位)で、期待してもらっている中、僕たちのポテンシャルを信じ切れていない人はいると思いますけど、僕たちは本当に優勝して昇格できるチームだと思っている。今日のハードワークは本当に苦しかったが、勝つために必要だと分かったと思う。後々、振り返った時に、今日がターニングポイントと思えるゲームになればいいなと思っています」と前を向く。チームとして試行錯誤を続けながら、さらなる成長を目指す。(中田 康博) ○…敗れた北九州の増本浩平監督は「前半の入りは悪くなかったと思う。いい形でゴール前に入れたり、狙いを持ってプレーできていたが、坂本(翔)が怪我をして、用意してきたゲームプランがリセットされてしまった。後半はなかなか準備してきたことが表現できなかった。今季は不可抗力での怪我が多く、フラストレーションが溜まる。自分もイエローカードをもらってしまったので、大いに反省したい」と振り返った。
報知新聞社