【日本ハム】今川優馬、夢の兄弟コラボで“執念”注入「彼が野球をやるって言っていなければ…」
夢の兄弟コラボが実現した。日本ハム今川優馬外野手(27)が27日、地元の北海道・札幌にある豊平警察署で一日警察署長を務めた。商業施設などで歳末防犯パトロールを行った際に同行したのは同署に勤務する弟駿さん。野球を始めるきっかけをくれた弟と一緒に夢見ていた共演が現実となった年末に、あらためて来季の巻き返しへの思いを新たにした。 ☆ ☆ ☆ 普段とは違う“ユニホーム”はやや照れくさかった。警察官の制服に身を包んだ今川は「似合っていますか? 」と苦笑いしながら「やっぱ僕はやっぱり野球のユニホームの方が似合うかな」。それでも地元警察から一日警察署長という大役を任命されて「今日1日ですけど、全力で務めさせていただきたい」。何事も全力な男は使命感に燃えて、歳末防犯パトロールへ向かった。 訪れたのは商業施設の「BRANCH札幌月寒」。買い物客らにパンフレットなどを配布しながら闇バイトの根絶や万引き防止、特殊詐欺への注意を市民に訴えた。その横には、顔がそっくりな警察官がぴったりとくっついて同行していた。今川は笑顔で紹介した。「弟の駿(しゅん)です。いつも、どっちが兄か間違われるんですけど(笑い)、僕が長男で、次男です。ほんとすごい職業だなと弟を尊敬しております」。 6人きょうだいの長男と次男は、こうして共演することが夢の1つだった。「ずっと、こういうことをしたいねっていう話をしていた。僕自身の生まれ育った街でもありますし、何か1つでも貢献できたらと思っていた」とうれしそうに語った。 実は野球を始めたきっかけも弟だった。「年は2つ下ですけど、何にしても彼が先に始めるタイプ。野球を始めたいって言ったのも弟が先で、弟がやるなら一緒にやる、と。彼が野球をやるって言っていなければ、こうやってファイターズのユニホームを着ることも、こうやって一日署長をやらせてもらうこともなかったかなと思っています」とあらためて感謝の思いが込み上げた。 原点回帰もできた、初めての一日警察署長の大役を終えた。来季へ向けて外野守備もレベルアップを図っている今川は「野球でも1つでも多くのアウトを取って“取り締まれる”ように頑張ります」とニヤリ。さらに、長男の活躍でファイターズが日本一となるストーリーも6人きょうだいの夢だ。今季は6試合出場にとどまった悔しさを糧に巻き返しを期す25年シーズンへ向けて、年末に代名詞の“執念”を弟から注入された。【木下大輔】