自分からテニスラケットに頭突きして流血!それでも試合に勝って母国に貢献した35歳の不思議な男マナリノ<SMASH>
フランスのベテラン選手のあまりに奇妙な行動が話題となっている。まさに2008年のミハイル・ヨーズニー以来の衝撃アクションだ。 【動画】自分のラケットを額にぶつけて流血したマナリノ 舞台は昨年末からスタートした男女共催のテニス国別対抗戦「ユナイテッドカップ」(23年12月29日~24年1月7日/オーストラリア・パース、シドニー/ハードコート)のグループラウンド。3日に行なわれたグループDのフランス対イタリアの男子シングルスで事件は起こった。 イタリアのロレンツォ・ソネゴと対戦したアドリアン・マナリノは、1セットアップで迎えた第2セットの最初のサービスゲームで0-30とビハインドを負った後、手にしていたラケットのグリップエンドに頭突きを食らわせたのだ。すると35歳の額は切れて出血。切り傷はなぜか十字に。この100%自業自得のケガの治療のため、メディカルタイムアウトが取られる事態となった。 マナリノといえば、技巧派の左利きで芝のスペシャリストであり、35歳にしてキャリアハイの22位につける正真正銘のトップ選手。ウインブルドンで3度の4回戦進出の他、2017年のジャパン・オープンでは添田豪や杉田祐一、マリン・チリッチらを倒してダビド・ゴファンとの決勝に進出しており、日本のファンにも馴染みがあるはず。 一方で、自分が出場している大会のドローを決して見ないことで知られ、同胞選手ともあまりつるむことのない一匹狼タイプでもある。独特な雰囲気を持ったユニークな選手だ。 それにしても、前述の“事件”はとても極限状況で発生したものには見えなかった。かつて、敬礼ポーズで知られたヨーズニーは、2008年のマイアミ・オープン3回戦にてラケット面で自分の頭を3度もぶったたいてたっぷり流血し、見るものに衝撃を与えた。ただこれは、対戦相手ニコラス・アルマグロのサービング・フォー・ザ・マッチでやっとつかんだブレークポイントのミスに激昂したもの。つけられる疑問符は、今回のマナリノの「頭突き」の方がより大きいだろう。 ちなみに、今回のマナリノはあの時のヨーズニーと同様にしっかり勝利をつかんでいる。結果、フランスは女子シングルス、混合ダブルスと合わせ3戦全勝でイタリアを倒しグループラウンドを突破。続く準々決勝でノルウェーも撃破して準決勝に進出している。 構成●スマッシュ編集部