「青色鮮やか、すごい」 天井の竜の絵など見学 三重・松阪商人を語る会
上川町の長松寺 小津家関わりを調査
松阪商人を語る会(伊藤克司会長、39人)は22日午前10時から三重県松阪市上川町の豪商・小津家ゆかりの長松寺を訪れ、本堂の天井にはめ込まれた龍の絵などについて見学会を開いた。参加者たちはこれまで知られていなかった同寺と小津家の関わりに思いをはせた。 小津家の菩提寺(ぼだいじ)の養泉寺(中町)の末寺である長松寺は、1945(昭和20)年に松阪を襲った大空襲で全焼した。そこで、養泉寺の本堂の隣にあった塔頭(たっちゅう)の崇恩寺の建物が上川町に移され、長松寺として再興された。崇恩寺は元は伊勢市にあった廃寺だったが、小津家5代長康(1680~1741年)が再興し、養泉寺の末寺としていた。 長松寺については伊藤会長(75)=西町=が6年ほど前、小津家の蔵の中から、同寺が小津家の菩提寺であるとする書き付けを発見して会員らと調査に着手。同家が江戸店(だな)を構えた関係で、旧大伝馬町の祭りで使われた諫鼓鶏(かんこどり)山車の、龍の絵が描かれた太鼓面2枚(各直径約1.2メートル)が天井にはめこまれていることなどが判明し、昨年末に冊子にまとめた。 自身が松阪ガイドボランティア友の会やNPO法人松阪歴史文化舎などの会員でもあることから、所属する会などのメンバーと情報を共有しようと見学会を開催した。 この日は約20人が参加。寺の成り立ちなどの説明を受けて、地紙(じがみ)に青色で描かれた小津家の家紋「蔓柏(つるかしわ)」が施された格天井や、天井の龍の絵の太鼓面を見て「青色が鮮やかに残っている」「すごい」などと話しながら写真を撮るなどした。 松阪ガイドボランティア友の会に所属する西村秀子さん(75)=駅部田町=は「小津の建てた寺と初めて知りました。ガイドに生かしたいです」、松阪歴史文化舎の平田麻希さん(53)=曽原町=は「実際に見ると、こんなにきれいで迫力があると思っていなかった。とてもいい物を見せて頂いた」と話した。 7月6日にも同様の見学会を開く予定。 希望者は伊藤さんTEL 090(8552)9887 へ。