ホスピス型住宅、看護で不正 報酬目的、過剰に訪問
難病や末期がんの人を対象にした有料老人ホームや高齢者住宅で、大手を含む一部の運営会社が、医療保険の診療報酬を多く得る目的で虚偽の記録作成といった不正や、過剰とみられる訪問看護を入居者に実施していることが17日、複数の看護師らへの取材で分かった。これらのホームは「ホスピス型住宅」などと呼ばれ、多死社会を迎えて近年急増。不正、過剰な訪問看護は医療財政の圧迫要因になっているとも指摘される。 訪問看護は介護保険が適用される場合と医療保険適用の2パターンがあり、高齢者は通常は介護保険。ただ難病や末期がんなどの場合は医療保険で、報酬も高めに設定されている。厚生労働省の規定に基づき1日複数回、複数人で毎日訪問でき、その分報酬を受け取れるため、過剰な実施を招きやすいという構造的な問題がある。 大手の会社に3年前まで勤務した看護師は「記録上はどの入居者も1日3回、1回30分、複数人で訪問ということになっていたが、実際には5分で終わる場合もあった。複数人で訪問するのは一部の人だけだった」と証言した。