小菊の出荷に汗を流すキク農家の道川英二さん=笠間市下郷

お盆が近づき、小菊の栽培で県銘柄産地に指定されている茨城県笠間市の生産農家で、お供え用の花の出荷作業が最盛期を迎えている。猛暑のため、日中を避け、早朝や夕方に集中して作業が行われている。 愛宕山を望む約2700平方メートルのほ場で小菊を育てている同市下郷の道川英二さん(67)方では、黄色の「秀千早」、白い「精せせらぎ」、赤の「常陸サマールージュ」などの品種が今の時期はメイン。規格に合わせ、丈の長さを整え、茎の裾部分の葉をはらい、10本一束にする。1日2200本ほど作業に当たるという。 JA常陸友部花卉(かき)センター(同市湯崎)によると、市内では40軒弱の小菊栽培農家があり、生産量は年間270万本ほど。最上位の「秀2L」が1本60円で取引される。出荷先は東京や神奈川が中心だ。 同JA笠間地区花き部会長でもある道川さんは、「ご先祖さまに供える花だから、日本古来の小菊を、若い人にも大切にしてもらい、伝えていってもらいたい」と笑顔で話した。