ドジャース対パドレス　9回裏ドジャース無死一、二塁、三ゴロで三重殺になるロハス（撮影・菅敏）

＜ドジャース2－4パドレス＞◇24日（日本時間25日）◇ドジャースタジアム 　【ロサンゼルス（米カリフォルニア州）24日（日本時間25日）＝斎藤庸裕、斎藤直樹】なんとも切ない幕切れでドジャースが敗れた。勝てばナ・リーグ西地区優勝に王手というパドレス戦。2－4の9回無死一、二塁、次打者が大谷翔平投手（30）の場面で9番ロハスが三ゴロ三重殺を食らって試合終了となった。パ軍はメジャー史上初の幸運で命拾いし、2年ぶり8度目のポストシーズン（PS）進出が決定した。 【写真】シャンパンファイトを楽しむパドレス・ダルビッシュ 　　　　◇　　　◇　　　◇ 　ダルビッシュも驚く奇跡が起きた。「ネクスト（・バッタースボックス）に大谷君がいましたし。最近の大谷君の調子を考えても怖いなというところだったので、トリプルプレーがベストな終わり方だった」。先頭から3連打で2点差に迫られ、なお無死満塁。三重殺以外なら大谷に回るが、三塁正面にゴロが転がった。マチャドが素早く三塁を踏んで三－二－一と転送。メジャー史上初めて三重殺の幕切れでPS進出を決めた。 　劇的な幕切れで、シャンパンファイトは一層盛り上がった。ラテン系の選手が多いチームらしく、大音量で音楽をかけながらディスコのような光線の下で踊りまくる。メジャー1年目の松井は、WBCでの経験と比較し「みんなテンションが高くて」と騒ぎっぷりが段違いだった様子。「普段お酒を飲まないのでやばいです」と美酒に酔った。救援陣が好調で7日以来登板はないが「ありがたいですね。本当に9月は何もしてないので」と感謝した。 　PS出場6度目となるダルビッシュは、シャンパンファイトに慣れている。早々に会場を中座すると、体を整え、別室で補食やノンアルコール飲料を摂取。「ちょっと複雑な気持ち。まだドジャースを追いかけている段階なので。目標としているのはディビジョンの優勝。ひとまずうれしいですけど、まだ明日がある」。チーム最年長らしく冷静に、直接対決の残り2試合を見据えた。これで首位ド軍に2ゲーム差。3連戦3連勝すると、同率ながら直接対決で勝ち越しているため首位に立つ。後半戦は41勝17敗。30球団最高の勢いで臨む。【斎藤直樹】 　▽パドレス・シルト監督「これ以上の脚本はないだろう」 　▽パドレス・マチャド「大谷が次打者席にいる、あの厳しい場面で、野球界で最高のチームの一つを相手にトリプルプレーで試合を終える。彼（昨年死去したサイドラー・オーナー）が俺たちを見守ってくれてるんだよ」 　▼パドレスの三重殺は10年以来14年ぶり球団史上9度目。試合終了を決める三重殺は両リーグで28度目だが、ポストシーズン（PS）進出を決めたのはパ軍が初めて。試合終了以外を含めると、PS決定日の三重殺は1907年、10年カブスと2020年ブルワーズ以来、のべ4チーム目。