ビエンナーレ大賞の渡久地さんが藤山中で授業「やりたいこと突き詰めて」【宇部】
第30回UBEビエンナーレ(現代日本彫刻展)の出品作家による彫刻教育授業が16日、藤山中(山田耕三校長)で行われた。大賞の「Press block(プレス・ブロック)」を手掛けた渡久地佑弥さん(24)が2年生96人を前に、制作秘話や作品への思いを語った。 渡久地さんは、福岡市の九州産業大大学院2年生で造形表現を専攻。プレス・ブロックは、鉄筋の骨組みにモルタルを塗り込み、高さ4㍍、奥行きと幅各2・1㍍、重さ2400㌔の直方体の大作で、初出展にして最高賞に輝いた。 1次審査の模型を搬入する際、常盤公園の広さを確認し「細かいものではなく、大きくシンプルなものがいい」と、このサイズになったことを説明。素材に建築材料のモルタルを使った経緯も話した。 作品の制作に当たり、常に心掛けているのは「自分にうそをつかないこと」と強調。「面白い、格好いいと感じた時に周囲の反応を気にするのではなく、自身の判断で納得しているか、手応えがあるかを自問自答している」と伝え「美術や彫刻に限らず、みんなも将来やりたいことが見つかったら、とことん突き詰めてほしい」とエールを送った。 長谷川優さんは「第30回展にはまだ行けてないけど、大賞作は写真からでも圧倒的な存在感を放っている。講演を聞いて興味が湧いたので、実物を鑑賞して私だけの何かを感じ取りたい」と声を弾ませた。