「野球のルール難しすぎ」 見逃し三振なのに振り逃げ!? プロも困惑した“ややこしい場面集”
1対0とリードしたソフトバンクは6回、先頭の今宮健太がカウント0-2から早川隆久の3球目、140キロ直球を見逃し。柳田昌夫球審は三振をコールした。 ところが、このボールを捕手の太田光がポロリと落球したことから、話がややこしくなった。 ボールの行方を完全に見失い、足元付近をキョロキョロ見回す太田を尻目に、今宮は一塁に向かってスタコラサッサ。前代未聞(?)の珍振り逃げが成立するかに思われた。 だが、ボールが三塁線を転がっていることに気づいた早川が素早くマウンドを降り、猛ダッシュで拾い上げると、すぐさま一塁に送球し、今宮をアウトにした。 野球規則にも「(A)走者が一塁にいないとき、(B)走者が一塁にいても2アウトのとき、捕手が第3ストライクと宣告された投球を捕らえなかった場合、打者は走者となる」(6.09b)とあり、見逃し三振でも捕手がボールを捕球できなかった場合は、振り逃げが成立することがわかる。 たとえ見逃し三振に倒れても、何があるかわからないので、打者は後方確認が必要?(文・久保田龍雄) 久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。
久保田龍雄