【大分】マダニはこんな身近なところに!?
大分朝日放送
マダニに噛まれてかかる感染症が大分県内でも増えてきています。 最悪の場合、死に至るケースもありますが、実は私たちのすぐ近くに潜んでいるかもしれません。対処法はあるのでしょうか。 体長わずか5ミリほど。 しかし、人にかみついて血を吸うと・・・指の太さほど、2センチ近くにまで膨れ上がることもあるのがマダニです。 病原体を持っているダニに噛まれると最悪死に至るケースもあるSFTSなど感染症にかかる危険性も指摘されています。 (大分県健康政策・感染症対策課 池邉淑子課長) 「10年くらい前とか数年前はそろそろダニの時期だなって思う時期なんですよね、今って特にこの2~3年は3月とか4月とか。まだちょっと野山に入ったら肌寒い時期でもこういう感染症の届け出があっていて」 こちらは佐伯市のイチゴ農家。 毎年、マダニの対策を続けているそうです。 (佐伯市のイチゴ農家 三又健太郎さん) 「まず帽子、マスク、ハイネック、長袖長ズボンと長靴をはき手は長袖を手袋に入れて万全の対策をしている」 朝から気温がぐんぐんと上がり、ハウスの中の温度は35℃ほどに。 三又さんはマダニなどから身を守るため完全防備で作業を続けます。 (佐伯市のイチゴ農家 三又健太郎さん) 「これからも草刈りとかするんで今年マダニに噛まれないように気を付けていきたい」 山や畑などの草むらに隠れていることが多いマダニ。しかし、私たちが普段生活している場所にも潜んでいる可能性があるんです。 噛まれないための対策、そして噛まれてしまったときの正しい対処法を知っておきましょう! (下野アナ) 山や畑で作業をしないから自分は大丈夫と思わずにマダニがどんなところにいるのかまた、どんな対策が出来るのかを知ってこれからの時期に備えましょう。 その前にまずはこのマダニによる感染症がどのくらい発生しているのか。 大分県の健康政策・感染症対策課によりますと、マダニによる感染症で特に気を付けてほしいものが3つあります。 それがSFTSと日本紅斑熱、ツツガムシ病で、特にこのSFTSは重症になりやすいそうです。 2024年に入ってから6月2日までにSFTSは4件、日本紅斑熱とツツガムシ病が1件ずつ大分県内で確認されました。 特にこのSFTSは10年前は年間2件でしたが、去年が過去最も多い12件。2024年はまだ半年過ぎていませんが4件の届け出がありました。 最近のアウトドアブームも増えた要因のひとつではないかともいわれていて、少しずつ増えている印象を受けますね。 ではどういったところにマダニは潜んでいるんでしょうか。 先ほどのVTRでもあったように畑の周りの草むらなどがあげられます。 ただほかにも、これからの時期に盛んになるキャンプや登山も草むらが多いので危険な場所のひとつです。 さらに農家だけでなく、ちょっとした庭の手入れや家庭菜園をする時にも身体に付く危険性があります。 ほかの県では実際にそうしたケースも報告されました。 そして、マダニが好む動物。ペットですよね。ペットを介して家に侵入することも考えられますし、犬や猫なども感染します。 散歩から帰って来たときなどマダニが付いていないか確認をしてあげて下さい。 ただ、このマダニの生態に噛まれない対策があることが分かりました。 実はこのマダニはわきの下、足の付け根、髪の毛の中など居心地がいい場所を見つけるためにおよそ半日をかけて人の身体を動いて探し回るそうです。 ただ、逆にそれまでは噛まれることがないので、早めに服や身体をはたく、シャワーで身体を洗い流すことなどは有効な対策です。 もちろん、肌の露出を減らすなどの対策が重要です。 それでも非常に小さいので気付かずにいつのまにか噛まれていたということも十分にあります。 そんなときはどう対応するのがいいか。 大分県の健康政策・感染症対策課の池邉課長によりますと、「自分で取らずに病院へ行くこと」が一番だそうです。 というのも、噛まれた状態のときに自分で取ろうとはたいてしまうとマダニの口が残ってしまう場合があります。 気になって取ってしまいたい気持ちもありますが専門の人にしっかりと対応してもらいましょう。 また池邉課長は症状が出るまでの潜伏期間が1週間ほどあるので、噛まれた後もしばらく体調の変化には注意してほしいということです。 これからアウトドアシーズンが本格化します。「危険なマダニが近くにいるかも」と思ってまずは噛まれない対策を取るようにしましょう。