いまだ行方不明の「六価クロム槽」“転落”ネコ…事態解決を困難にする2つの懸念
ネット上では責任を問う声と猫の安否を気づかう声が交錯
ネット上の書き込みは、気の毒な”事故”にあった猫の安否を心配する声も多かった。「野良猫も生きるのに必死。1日でも長く生きてほしい」「猫ちゃんの亡骸見つかって触れてしまったり、飼い犬が見つけて触ってしまったら2次被害になるのかな…」。 一方で、「そもそもそんな有害物質が猫が出入りできる程度の管理しかされていないというのも問題かと」「猫だけでなく公園の遊具等に六価クロムが付着している可能性もあるから注意が必要」といった声もあがっていた。
皮膚に触れるとやけどのような症状もでる六価クロムの危険性
六価クロムは代表的な防さびメッキで、猫の足跡が見つかったメッキ工場でも金属メッキに使われていた。処理後は毒性は一切ないとされるが、酸化力が強く、それが有害性に起因するといわれる。 溶液に触れると皮膚や粘膜に炎症が生じ、やけどのような症状がみられることなどが知られている。国際がん研究機関は、人に対して発がん性があるグループに分類している。 水質、廃棄物で規制基準も設けられ、水道法における水質基準値は0.02mg/L。河川などの公共用水や地下水では環境基準が定められ、基準値は0.02mg/Lとなっている。 体についた場合、すぐに水で洗い流せば被害は抑えられるというが、猫は水を好まないため、すでに衰弱している可能性も否定できない。 松永湾に面する現場の工場周辺は、人通りはそれほど多くないが、大きな幹線道路を挟んだ内陸側へ200メートルほどいけば、住宅街が広がる。騒動発覚から初めて迎える週末。住民は不用意に外出もしづらい、なんとも落ち着けない不安な日々を過ごすことになりそうだ。
弁護士JP編集部