表情がなく痩せていた元外猫...4人家族に迎えられ「抱っこ!」と甘える現在の様子
人間の心を見透かしている?
きゃりこは家族の状況や関係性を理解して、対応を変えます。一番甘えるのはゴハン係の私に対してでしょうか。甘えた声で「くーん」と鳴いたり、目を見てウニャウニャと主張したり、前足を伸ばして抱っこをせがんだり。冬には布団の中で一緒に少し寝るようになりました。 夫には複雑な感情があるらしく、時に逃げ回ったり、時に気を許して膝の上でうとうとしたりと不思議な関係です。 子どもたちには無邪気に振る舞ったかと思えば、母親のような眼差しを向けることもあります。部活を引退した娘がぼんやりしていると遊びを仕掛けたり、模試の結果に落ち込む息子の膝に乗ったり、子どもたちは心を見透かされているようだと驚きます。 2人に親しく身を寄せている時ですら、甘えているのか甘やかしているのかわかりません。 思えば私たちは選ぶ立場にあったようで、実は子どもを授かるようにきゃりこに出会ったのかもしれません。 きゃりこは猫エイズキャリアです。一緒に暮らしていたホームレスのおじさんが施設に入るのを機に保護された元外猫で、いっぱい苦労もしてきたことでしょう。 でも迎えることにしたのは、きゃりこが可哀想だからではなく、ただ可愛いと思ったからでした。愛しさが増すほど「発症したらどうしよう」と不安に駆られることもあります。 そんな私をマイペースに毎日を過ごすきゃりこが「大切なのは『今』だよ」と諭してくれるような気がします。悠然と窓辺に立つ小さな背中を見て、今日の我が家も安泰だと思う日々です。
猫びより編集部