ヴィーガンやケトジェニックダイエットを行うと、免疫がどのように変化するかを専門家が解説

体重を落とすため、炎症に対処するため、あるいは長寿のためなど、人はさまざまな理由から特定の食事法を実践している。 【写真】実はアリアナも...！決して肉を口にしない54人のセレブリティ だが、新たな研究から、特にヴィーガンやケトジェニックダイエットに切り替えることで、免疫システムに大きな影響を与える可能性があることがわかった。 生物医学誌『Nature Medicine』に掲載された、アメリカ国立衛生研究所（NIH）の最新の研究では、これらの食事法を実践した人を調べ、それぞれの免疫システムにどのような影響があるのかを調べた。 今回の研究には20人が参加。動物性食品を排除し、繊維質豊富で低脂肪食品を中心としたヴィーガンの食生活と、糖質を極端に制限して高脂質な食事をとるケトジェニックダイエットの食生活を、それぞれ2週間ずつ（計4週間）続けてもらった。そして、その期間に血液や尿、便のサンプルを分析した。 その結果、参加した20人全員に、顕著な変化が起きた。免疫システムが改善したのか悪化したのかは特定していないが、どちらの食生活に切り替えた場合も急激な変化があったと指摘している。 最終的な答えを出すためには、もう少し長期にわたる更なる研究が必要だろう。とはいえ、大まかに今回の研究結果から読み取れることは、ヴィーガンは、私たちを病原菌から守る最前線の防御機能「先天性免疫」に関係した反応を即座に示したことがわかった。一方、ケトジェニックダイエットの場合は、日常生活やワクチン接種などによってできた特定の病原菌に対する「適応免疫」に関連する反応を示した。

何気なく決めている食事のメニューが、すごく大切な選択だと気づかされる。

さらに、どちらの食生活も代謝や腸内細菌に変化をもたらしたこともわかった。 オハイオ州立大学ウェクスナー・メディカル・センターの免疫学者、カーラ・ワダ医学博士によれば、「2週間ヴィーガン生活を送ると、先天性免疫に関連した体内経路やバイオマーカーに大きな影響を及ぼし、ケトジェニックダイエットに関しては適応免疫に関連したバイオマーカーに大きな影響を及ぼすことを示している」という。（注意：NIHによると、先天性免疫はどんな抗原や毒素にも全般的に対応する一方、適応免疫は特定の抗原に対応する） これが人の免疫システムにどのように影響を及ぼす可能性があるのかは現時点では分からない。だがこの研究結果は、将来、個別あるいはそれぞれの病気に対応した食生活をアドバイスする上で、非常に役立つ優れた情報となるでしょう、とワダ博士は言う。 「今回のデータは、食生活が病気の予防や治療に大きな影響を与える可能性があることの更なる証拠だと言えます。ですが、特定の食生活が特にどんな人にメリットがあるのかを明確にするには、もう少し研究が必要です」 食事以外で免疫システムを強化する方法もある。最も効果的なのは、最新のワクチンを接種することだと、アレルギー＆喘息ネットワークのアレルギー専門医で免疫学者のパーヴィ・パリク医学博士は言う。「ワクチンは最も簡単で効果的な方法です」。 そして、現代ではあまりに過小評価されているが、"十分な睡眠、水分補給、運動、ストレス管理" も、極めて重要な項目だと同博士は加える。 結局のところ、私たちが食べるものは、比較的短期間で免疫系の健康に大きな影響を与える可能性がある、とワダ博士。 「今回の研究は、食べ物が免疫システムにいかに速く大きな影響を与えるかを示したもの。ですから、"何を食べるか" というのは、日々とても重要な選択をしているのです」とパリク博士は伝えた。 専門家たちからのメッセージを踏まえ、今日から早速、免疫力アップに繋がる食べ物を積極的に食べるようにしよう。 ※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。