スペースX、新型ロケット「スターシップ」第4回飛行試験を実施へ 早ければ日本時間6月5日夜に
アメリカの民間宇宙企業スペースXは2024年5月24日、同社が開発中の新型ロケット「Starship(スターシップ)」による無人での第4回飛行試験を行うと発表しました。早ければアメリカの現地時間で2024年6月5日にも実施される見込みです。【最終更新:2024年5月27日11時台】 直近のロケット打ち上げ情報リスト Starshipは1段目の大型ロケット「Super Heavy(スーパーヘビー)」と2段目の大型宇宙船「Starship」からなる全長121メートルの再利用型ロケットで、打ち上げシステムとしても「Starship」の名称で呼ばれています。スペースXによれば、両段を再利用する構成では100~150トンのペイロード(搭載物)を打ち上げることが可能であり、2段目のStarship宇宙船は単体でも地球上の2地点間を1時間以内に結ぶ準軌道飛行(サブオービタル飛行)が可能だとされています。 Starshipは米国テキサス州ボカチカにあるスペースXの施設「Starbase(スターベース)」を拠点に開発が進められています。同社は2019年8月から2021年5月にかけてStarship宇宙船の大気圏内飛行試験をStarbaseで数回実施して帰還時の降下姿勢や着陸姿勢を実証した後、2024年3月までにSuper Heavyも含めたStarship打ち上げシステムの無人飛行試験を3回行っています。
2024年3月14日に行われた第3回飛行試験では、Starshipとして初めて上昇時のエンジン燃焼を完了させることに成功。準軌道飛行を行ったStarship宇宙船は発射約46分後にインド洋上空で大気圏に再突入したものの姿勢が安定せず、発射約49分後・高度約65kmでテレメトリ信号が途絶して飛行を終えました。 スペースXによると、第4回飛行試験の焦点は第3回飛行試験で達成された軌道到達からStarshipの帰還・再利用能力の実証に移り、Starship宇宙船とSuper Heavyには前回の教訓を取り入れた改良が行われました。打ち上げ目標日時はアメリカ中部夏時間2024年6月5日7時(日本時間同日21時)で、約30分前から同社のウェブサイトとXにてライブ配信が行われます。飛行経路は前回と同様で、Super Heavyは発射約7分後にメキシコ湾へ、Starship宇宙船は発射約65分後にインド洋へ着水する予定です。