県が子どもの休み方改革で「家族でやま学の日」創設【宇部】
県は5日、「こどもや子育てにやさしい休み方改革」を県全体で推進していく方針を示した。その一環として、「家族でやま学の日」を創設。県内の公立学校に通う子どもたちが、休業日以外でも家族と共に校外で体験・探究活動ができる日とし、保護者の休暇に合わせて事前に学校に申請すれば、欠席扱いにはならない。年に3日程度の活用を可能にする。 同改革の趣旨は、県政の最重要課題である人口減少、少子化に歯止めをかけるため、親子で一緒に過ごせる時間を増やし、子育ての楽しさや喜びを実感できるようにすること。県での子育ての満足度向上も目指している。 各職場では、子どもの行事に合わせた休暇が取りづらい雰囲気が根強く存在。土日・祝日に仕事があり、わが子と過ごす時間をつくりにくい家庭もある。これらを踏まえて▽子どものために休むことが当たり前となる社会全体の機運醸成▽子どもと過ごすための休暇を取得しやすい職場環境づくり▽休暇を家族で一緒に過ごせる仕組みづくり▽家族で県への愛着を高めながら楽しめるコンテンツの充実-を改革の柱とした。 「家族でやま学の日」は、休暇を家族で一緒に過ごせる仕組みづくりとして導入。地域の史跡巡り、身近な植物調査、農業体験、新たなスポーツへの挑戦などが当てはまる。県立学校は6月以降、市町立学校は準備が整ったところから順次開始する。 コンテンツの充実に向けて、謎解き県内周遊イベントの夏頃の開始などを予定している。 職場環境づくりとして、子育てに参加するための休暇制度の整備、従業員への休暇取得促進などを実施している企業を対象としたコンテストも開催する。また、男性の育休取得を推奨する企業に対して最大約180万円の奨励金を支給する。 改革推進の機運醸成に向けて、キックオフシンポジウムを6月6日午後1時半から県健康づくりセンター(山口市吉敷)で開催。NPO法人ファザーリング・ジャパンの安藤哲也代表理事を講師に迎える。また、11月を同改革月間に制定する。 村岡知事は「子どものために休むことが当たり前となる社会にしていくため、行政、企業、学校などが協働した県民運動を展開する」と述べた。