“行為があった” 宝塚歌劇団“パワハラ”認め遺族側に伝える 宙組所属の女性死亡
日テレNEWS NNN
宝塚歌劇団の俳優の女性が死亡した問題で、歌劇団側はパワーハラスメントは確認できなかったとしてきました。しかし一転、パワハラがあったと認め、遺族側に伝えていたことがわかりました。 ◇ 宝塚歌劇団の生徒手帳には、「上級生、下級生とは縦の絆」と記されています。ただ、劇団員の死をめぐって浮上したのは、“上級生によるパワハラ疑惑”でした。 歌劇団は疑惑を否定し続けてきましたが、一転、パワハラを認めました。 発端は去年9月。宝塚歌劇団の「宙組」に所属する当時25歳の女性が遺体で見つかり、自ら命をたったとみられています。 遺族側が“原因”として訴えたのは、歌劇団での「過重労働」と「上級生からのパワハラ」でした。 遺族側の会見(去年11月) 「約1か月半、わずか1日3時間程度の睡眠しかとれない状況が続き、加えて上級生のパワハラもあり、健康を損なって亡くなった」 ヘアアイロンを額に当てられヤケドをしたり、「下級生の失敗はすべてあんたのせいや」などの数々の暴言を受けたりしたと、遺族側は訴えました。 一方、歌劇団側は過重労働については認めましたが、いじめやパワハラの存在は一貫して否定してきました。 宝塚歌劇団側の会見(去年11月) 「いじめ目的であったとは言いがたい」 話し合いを続けていた遺族側と歌劇団側。2月に入り事態は一転しました。 歌劇団を運営する阪急阪神HD 角和夫会長 「交渉は双方ともに大きな違いがないところまできた。今月中にも話し合いがまとまればいいと思っている」 そして23日、“パワハラに当たる行為があった”と歌劇団側が遺族側に伝えたことが、関係者への取材で新たにわかりました。上級生への聞き取りなどを進めた結果、“パワハラ”と判断し、遺族に謝罪する意向を示しています。 23日、都内の劇場を訪れていたファンは… 宝塚ファン(70代) 「もっと早く遺族に謝罪してほしかった。まだ調査中と言わないで、亡くなったことを重きに思って」 宝塚歌劇団のホームページによると、「宙組」の公演は3月まで中止が決まっていて、次の公演予定は5月となっています。 宝塚ファン(70代) 「一生懸命練習しているだろうし、早く再開してほしい」 今年、110周年を迎えた宝塚歌劇団。記念行事は“過重労働”を避けるため、全て中止になっています。