【仕事中のケガ】うっかり「保険証」で受診してしまいました…事後でも「労災保険」へ請求できますか?
仕事中や通勤途中にけがをした場合、会社の労災保険で受診することが一般的です。 しかし、なかにはうっかり健康保険で受診してしまう方も多いでしょう。 今回は仕事中のけがを健康保険で受診してしまった場合、あとから労災保険へ切り替えられるかどうかについて解説します。
仕事中にけがをしたら?
仕事中または通勤途中に遭った災害(労働災害)によって負傷をしたり、病気にかかったりした場合に、労働者の請求に基づいて治療費が給付される制度を労災保険制度といいます。 仕事中にけがをした場合は、会社の労災保険で治療を受けることが一般的です。 しかし厚生労働省によると、近年、労働災害であるにもかかわらず、健康保険を使用して治療を受ける方が見られるようです。健康保険は労働災害以外の傷病に対して支給されるものです。 したがって、仕事中のけがの治療に健康保険を使うと、受診した病院によっては一時的に治療費を全額自己負担する必要があります。
仕事中のけがを健康保険で治療してしまった場合は?
仕事中のけがを健康保険で治療してしまった場合、必要な手続きを行うと治療後でも労災保険へ切り替えることは可能です。その手続きの方法を厚生労働省が公表している内容を基にご紹介します。 まずは受診した病院に、健康保険から労災保険に切り替えることができるか確認をしましょう。 ■労災保険へ切り替えができる場合 切り替えができる場合、労災保険の様式第5号、または様式第16号の3の請求書を記入します。 記入後、受診した病院に提出すると窓口にて健康保険で受診した分の治療費(一部負担金)が返金されます。 ■労災保険へ切り替えができない場合 切り替えができない場合は、一時的に医療費を全額自己負担したのち、労災保険の請求手続きをする必要があります。 具体的な労災保険の請求方法は以下の通りです。 (1)健康保険の保険者へ労働災害であることを伝える (2)保険者から医療費の返還通知書等が届いたあとに返還額を支払う (3)労災保険の様式第7号または第16号の5を記入する (4)返還額の領収書と病院の窓口で支払った金額(一部負担金)の領収書を添えて、労働基準監督署へ請求する 仕事中のけがを健康保険で治療してしまったあとに、労災保険へ切り替える方法は受診した病院によって異なると考えられます。 一時的ではあるものの医療費の全額を自己負担することが困難な場合は、労働基準監督署に相談をしてみましょう。 全額を自己負担せずに労災保険の請求がしたいと申し出ると、労働基準監督署が保険者と返還額の調整を行ってくれます。