もう大型筐体は不要!? プリクラの自作アイテム【山下メロの平成レトロ遺産:045】
記憶の扉のドアボーイ・山下メロです。記憶の底に埋没しがちな平成時代の遺産を今週も掘り返していきましょう。 【写真】今週のレトロ遺産! 平成に誕生して現代にも続く文化としてプリクラ(プリントシール機)があります。ゲームセンターなどにある筐体で写真が撮れ、その場で写真シールが印刷されるもので、1995年のプリント倶楽部から始まりました。 一方、90年代の若者が写真を撮っていたのは「写ルンです」などのレンズ付きフィルムや簡易なフィルムカメラです。しかし、フィルムを使い切ってDPEショップに持ち込み現像されるまで待つなど時間もお金もかかりました。 対して当時のプリクラは数百円だけ。撮影結果を確認して撮り直せ、1種類の写真が16個並んだシールが印刷されます。カメラのように「現像後に写真を見て、さらに焼き増しをショップに依頼、それを受け取り、友人には次会ったときに渡す」という手間もなく、ハサミで切ってその場で複数人にシェアできました。 しかしプリクラは設置場所へ赴く必要があり、カメラのように旅行先や学校の教室で撮影ができません。どこでもプリクラみたいな写真を撮りたい......そんな声に応え、「シールカメラクラブ・プリパチ」が登場しました。通常のフィルムでフレーム入りの写真が撮影でき、それを分割のシールプリントにしてもらう手順となります。 ちなみにフレーム枠はフィルム交換時にしか開けられない場所に設置するためフィルムを使い切るまで変更不可でした。 しかし、あくまでフレーム付き写真が撮れるだけなので、フィルムを使い切る必要や、現像の時間とお金がかかることは変わりません。 そのデメリットを解消したのがカシオ「プチコレ」です。これは1台完結型のデジカメで、本体にプリント機能を内蔵しており、撮ったらすぐにプリントができ、時間もコストもあまりかかりません。 そして、どちらも写真がキレイゆえ、当時の低解像度なプリクラとは少し違う仕上がりなので、今こそ令和の技術で再現したカメラを発売していただきたいです。 撮影/榊 智朗 山下メロ