マイニング事業者はマイクロストラテジーと同じビットコイン蓄積戦略を採用している
マイケル・セイラー(Michael Saylor)氏が創業したソフトウェア企業、マイクロストラテジー(MicroStrategy)だけがビットコイン(BTC)の大規模なバイヤーではないと、JPモルガン(JPMorgan)は12月11日の報告書で述べた。暗号資産マイニング事業者もまた、BTC蓄積戦略を採用しているのだ。 ビットコインの保有量を増やす動きは、4月のマイニング報酬半減とネットワークのハッシュレート上昇に起因する収益性への圧力の高まりが要因だと報告書は述べている。ハッシュレートとは、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)のブロックチェーン上で取引をマイニングおよび処理するために使用される総計算能力であり、業界内の競争とマイニングの難易度を推し量る指標だ。 「このため、マイニング事業者はビットコインを買いだめしたり、さらなる投資を模索したり、人工知能(AI)やハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)の事業への多角化を図ったりしている可能性が高い」と、ニコラオス・パニギルツォグロウ(Nikolaos Panigirtzoglou)氏率いるアナリストチームは、AI/HPCに言及しながら記している。 JPモルガンによると、MARAホールディングス(MARA Holdings)などのマイニング企業は、こうした課題に対応するため、マイクロストラテジー(MicroStrategy)と同様のビットコイン購入戦略である「BTCイールド」を採用している。 MARAは現在、3万5000BTC(35億ドル、約5250億円:1ドル=150円換算)を所有しており、上場企業としてビットコインの保有量では2番目の規模となっている。 マイナーだけではない。医療機器メーカーのセムラー・サイエンティフィック(Semler Scientific)も、世界最大の暗号資産(仮想通貨)を積極的に購入しており、現在1億4400万ドル(約216億円)相当の暗号資産を所有している。 1月にアメリカでビットコイン現物ETF(上場投資信託)の取引が開始されたことで、機関投資家はより直接的にビットコインへのエクスポージャーを得られるようになったとJPモルガンは述べている。これまでビットコインのベータベットとして扱われてきたマイニング事業者の株価は、その結果として低迷している。 JPモルガンは、マイナーがビットコインをより多く購入していることに加え、事業運営費を賄うためにビットコインの準備高を売却するのではなく、負債や株式発行によって事業資金を調達するケースが増えていると指摘している。 マイナーは今年に入ってからこれまでに100億ドル(約1兆5000億円)以上の資金を株式で調達しており、2021年の95億ドル(約1兆4250億円)という過去最高額を上回っていると、報告書は付け加えている。 |翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:Shutterstock|原文:Miners Are Adopting the Same Bitcoin Acquisition Strategy as MicroStrategy: JPMorgan
CoinDesk Japan 編集部