ふるさと名品オブ・ザ・イヤー表彰式、ミガキイチゴのワインなどが受賞
地域の名品や地方創生への取り組みなどを表彰する「ふるさと名品オブ・ザ・イヤー」(後援:内閣府)の表彰式が15日、東京都千代田区の中央合同庁舎8号館で開かれ、9つの最終ノミネートのなかから地方創生賞3部門(ヒト・モノ・コトの各部門)が決定した。
ヒト部門:「米・雑穀のみちのく農業研究所」の長濱氏
地方創生賞のうち、人材育成面を評価する「ヒト部門」には、エントリー名「『米・雑穀のみちのく農業研究所』の長濱氏」(宮城県柴田郡村田町)が選ばれた。同研究所は、米問屋などの中間流通をなくし、宮城県内の1000名以上の米農家から直接買い付けた産地直送の米を販売する。審査員の料理研究家・行正り香(ゆきまさ・りか)氏は、「地方創生においてとても素敵な成功ビジネスモデル」などと評価。長濱洋平代表取締役は「農家をゼロから開拓してきた約10年間だった。こういう形で受賞させていただいて感無量」と述べた。
モノ部門:イチゴスパークリングワインミガキイチゴ・ムスー
製品を作り出した取り組みを評価する「モノ部門」に選ばれたのは、「イチゴスパークリングワインミガキイチゴ・ムスー」(宮城県亘理郡山元町)。同町のミガキイチゴを使って造られたスパークリングワインで、イチゴの生産や一時加工は宮城県、ワインの醸造は山梨県、保管は神奈川県川崎市の倉庫、と地域で分業する形で事業を展開している。審査員の日本文化研究家エバレット・ブラウン氏は、このワインの味わいについて、「日本のものづくりの精神が見事に現れている」と評した。
コト部門:おやさいクレヨン
地方創生に貢献する出来事や取り組みを評価する「コト部門」は、「おやさいクレヨン」(青森県青森市)が受賞。規格外の野菜や出荷時にカットされる部分などを原料にしており、開発者の木村尚子氏によると、「青森県をおもしろくPRするツールを作りたいと思ったこと」が製品開発のきっかけ。審査員のフリーアナウンサー・富永美樹氏は「素晴らしいのは、規格外として落ちこぼれた野菜に新たな命を与えたこと」などと賞賛した。
(取材・文:具志堅浩二)