現役時代を「失われた30年」で過ごしてきた「団塊ジュニア世代」。老後資金、どれくらい準備できている?
「Z世代」、「ミレニアル世代」、「ゆとり世代」など特定の年代に生まれた世代を特徴づけるネーミングがありますが、その中に「団塊ジュニア世代」があります。戦後のベビーブーム世代が「団塊世代」とよばれることから、その子どもたちは団塊ジュニア世代といわれます。 【早見表】40歳代・50歳代の貯蓄額と負債額の平均と中央値(二人以上世帯・単身世帯) 団塊ジュニア世代は一般的に1971年から1974年生まれとされており、2023年現在、50歳前後の方が該当します。団塊ジュニア世代は現役時代をいわゆる「失われた30年」で過ごしてきましたが、厳しい経済状況の中で老後資金の準備はすすんでいるのでしょうか。 この記事では、団塊ジュニア世代のリアルな貯蓄額や負債額などについて解説していきます。 ※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
団塊ジュニア世代|二人以上世帯の貯蓄・負債
団塊ジュニア世代は、2023年現在48歳から51歳の方が主に該当する世代です。総務省の「令和2年国勢調査 調査の結果」によると、配偶者ありの方の割合は「45歳~49歳」で66.9%、「50歳~54歳」で67.8%となっています。 団塊ジュニア世代で二人以上世帯の平均貯蓄額や負債額を40歳代と50歳代とに分けて確認していきます。 ●40歳代の貯蓄は825万円、負債は1575万円 40歳代二人以上世帯の貯蓄額と負債額の平均と中央値は以下の通りです。 40歳代の平均貯蓄額は825万円ですが、実際の感覚に近い中央値は250万円です。平均額と中央値に開きがありますが、これは高額な貯蓄額のある世帯が平均値を押し上げているためで、実際には250万円程度が平均的な貯蓄額になると考えられます。 一方、負債額は平均が1575万円、中央値が1500万円となっており、借入目的は住宅ローンや生活資金などが多いです。 ●50歳代の貯蓄は1253万円、負債は1150万円 続いて、50歳代二人以上世帯の貯蓄額と負債額を見ていきましょう。 50歳代の平均貯蓄額は1253万円で中央値は350万円という結果で、40歳代よりも高額になっています。 負債額は平均が1150万円、中央値が900万円となっており、住宅ローンや生活資金のほか、耐久消費財(※)の購入費用や子どもの教育・結婚資金などの借入が多くなっています。 ※耐久消費財:長期間の使用が可能な消費財のこと。家具・家電、自動車のほかシステムキッチン、床暖房、太陽光発電システムなどがある。 ●団塊ジュニア二人以上世帯の貯蓄と負債 40歳代と50歳代の貯蓄と負債状況を見てきましたが、ジュニア世代である50歳前後はふたつの世代のちょうど真ん中にあたります。 そのため、ふたつの結果の間をとって貯蓄額は平均1000万円、中央値は300万円程度になり、負債は平均1350万円、中央値は1200万円程度になると考えられます。