球児の「おもい」一枚に 昨夏撮影の写真、近畿総文で優秀賞 智弁・西田さん /奈良
<センバツ2020> 2年ぶりのセンバツ出場を決めた智弁学園高校野球部を追い続ける“カメラマン”がいる。同高写真部で部長も務めた西田伊吹さん(2年)で、被写体としてきた選手らに「何より楽しんでプレーしてほしい」とエールを送る。【萱原健一】 【動画】センバツ出場校、秋季大会熱闘の軌跡 土まみれの野手の手が、投手の腰に押しつけるようにボールを返す――。西田さんが2019年夏の全国高校野球選手権奈良大会の一場面を捉えたモノクロ写真は「第39回近畿高校総合文化祭」(同年11月)の写真部門で優秀賞を受賞した。 試合は3回戦の智弁学園―奈良大付戦。智弁は一回の守備で、三塁手がはじいたこぼれ球を遊撃手の坂下翔馬主将(当時)が拾って、小畠一心投手(1年)に手渡す場面だ。西田さんは三塁側観客席から一眼レフカメラで捉えた。 「野球部の選手たちは試合中も励まし合い、特に坂下主将はいつも選手たちに語り掛けていたので狙っていた」。狙いを定めてほぼ1年越しで納得の撮影ができた。出品の際、題名は「主将のおもい」にした。「人の思いが物に移った瞬間を切り取りたかった」という通り、審査員からは「自然と球に目が行く」と評価された。 智弁学園中の1年から写真部に所属し、19年4月に部長に。受験勉強に専念するため、同年末に後輩に引き継いだが、センバツは甲子園に行って精いっぱい応援するつもりだ。