大阪市「ブロック化」議論浮上、24区→4~5に分け効率化…「3度目都構想へ布石」の声も
大阪市で、24区を4~5グループに分ける「ブロック化」の議論が浮上している。将来の人口減少を見据え、公共施設の維持・管理など各区が抱える問題に、効率的に対処する狙いがある。地域政党・大阪維新の会が具体化に向けた協議をスタート。他党は静観しているが、「3度目の『大阪都構想』挑戦への布石では」との声も出ている。(猪原章、佐々木伶) 【図表】区が多い政令市
20政令市で最多
横山英幸市長(維新幹事長)が4月、読売新聞のインタビューでブロック化に向けた検討を進めると明言。市議会でも、維新が5月にプロジェクトチームの初会合を開いた。横山市長は2027年春までの任期中に、具体案をまとめる方針だ。 イメージでは、24区を残したまま、4~5グループに編成。グループ内の区長から「ブロック長」を選び、「施設の維持・管理」「防災」「空き家対策」など幅広い分野で、グループの課題を市長と話し合い、解決を目指す。24区長が個々に取り組むより、効率化できる可能性があるという。 ブロック化を目指すのは、人口約274万人の大阪市に、24区は「多すぎる」との問題意識があるからだ。20政令市で最多で、2番目の横浜市(人口約375万人)より6も多い。
区ごとにプールや図書館があり、公共施設数も2500以上と、横浜市(約2300)を上回る。大阪市では公共施設の維持・管理や更新費用が25年度、約1100億円に達すると試算される。市の人口は2050年に1割減の約243万人となるとの予測もあり、必要性の見直しやコスト削減は急務となっている。
市教委は導入済み
業務によっては、すでにグループ分けをしているケースもあるが、分け方は異なっている。 市教育委員会は20年度に市内を4ブロックに分け、それぞれに教科や生徒指導をサポートする「指導部」の担当部長を置き、指導主事を振り分けるなどして、きめ細かな学習支援を行う。ある市立小の校長は「指導主事の授業視察が増え、課題を相談しやすくなった」と話す。