士業専門コンサルタントが教える「プロ士業」の見極め方。(横須賀輝尚 経営者)
■白、黒、グレーの中で、判断を任せられるのが「プロ士業」
「判断」ということで、合わせてグレーゾーンについても解説しておきましょう。パブリックな媒体への記載になりますので、ちょっと表現は曖昧にさせていただきますが、要は白、黒、グレーの判断の中で、グレーゾーンについてきちんと自分の考えを伝えることができる士業がプロ士業です。 別の視点で見れば、真っ白しか認めない士業は、ほぼ行政と同じなので、高い顧問料を支払って相談する意味がありません。だって行政に聞けばタダですからね。 グレーゾーンそのものの説明は不要でしょう。例えば、あるものの経費算入について、白ではないけれど、黒でもないようなときがわかりやすい。社長のスーツとかですね。 日常的な衣服に関しては、経費参入が認められないとされていますが、例えば社長個人の講演会が多く、それが大きな収益になっている場合は、衣服ではなく衣装として経費算入が認められるケースがあります。ね、微妙でしょう。 これに絶対はなく、あくまでケースごとの判断になりますが、こういった点でも、「自分の判断」を言える人がプロ士業です。それもあなたの好みに応じて。 例えば、「おそらく経費算入することはできますが、税務調査が入った場合、否認される可能性があります。それでも私は必要経費だと戦いますが、負けてしまうケースもあります。ただし、経費としては微々たるものなので、今回は入れてしまっても全体で見れば問題ないと考えます。もちろん、入れなければ何も言われることはありませんが…」のようなかたちで、きちんと意見を言ってくれる人が、プロです。 特にこの税金の問題で多く起こります。節税と脱税、言葉は似ていますが、その境目は微妙なところで税理士も関与税理士となった以上、悪質な場合は幇助したとみなされるリスクを持っています。ですから、真っ白な方が税理士としては楽なわけです。そこを踏まえて、きちんと判断してくれる人。それがプロ士業といえるでしょう。 横須賀輝尚 パワーコンテンツジャパン株式会社 代表取締役/特定行政書士
【プロフィール】
1979年、埼玉県行田市生まれ。専修大学法学部在学中に行政書士資格に合格。2003年、23歳で行政書士事務所を開設・独立。2007年、士業向けの経営スクール『経営天才塾』(現:LEGAL BACKS)をスタートさせ創設以来全国のべ2,000人以上が参加。著書に『プロが教える潰れる会社のシグナル』(さくら舎)、『会社を救うプロ士業 会社を潰すダメ士業』(さくら舎)、『資格起業家になる! 成功する「超高収益ビジネスモデル」のつくり方』(日本実業出版社)、『お母さん、明日からぼくの会社はなくなります』(角川フォレスタ)、他多数。