「自治会活動ができないと訓練もまともにできない」都市部でも50%超え…進む高齢化で広がる防災訓練の“地域間格差”
少子高齢化の波は、都市部にも襲いかかっています。静岡市清水区新富町は、400人ほどの住民がいますが、高齢化率は50%を超えています。2023年からは、訓練の参加者を自治会の役員と小・中学生だけに絞りました。 <新富町自治会 大畑勲会長> Q65歳以上の高齢化率はどのくらい? 「55%は超してると思う。“町場の過疎化”って言うか、なんて言うか」 <住民(70代)> 「昔は炊き出しをやったり、本当に消火器で撒いたり、そうすると近所で迷惑とか、そういうのも出てきている、だからまぁ…形だけ」 地域の防災を支える自主防災組織。そのベースは自治会ですが、加入率は年々減少し、今や70%ほど。防災を支える地域の力も減り続けています。 一方、120人以上の小・中学生が参加する大規模な訓練を行った地区もあります。静岡市清水区の渋川北地区では、土地に余裕があり、新しい住宅が増え、若い世代が多いといいます。 <清水区入江地区連合自治会 加藤勉会長> 「“地域の格差”が500世帯対100世帯だと100世帯の町内はギブアップしている。自治会の活動ができないと、防災訓練もまともにできないという話で。助けてほしいということが去年ぐらいから、やっと声があがってきた」 この地区の連合自治会長は、まずは実態を理解してもらうことが必要だと話します。訓練から見えてきた“静岡の備え”を取り巻く不安。地域防災のあり方は、転換点を迎えています。 2023年の地域防災訓練は、「津波注意報」発表の影響で一部の地区で中止となり、静岡県内一斉の訓練は2年ぶりとなりました。2024年の参加者数は県内全体で約65万人。ピーク時には、300万人ほどが参加していたという記録もあります。高齢化が進む中、いま、県民の防災への向き合い方が問われています。
静岡放送