山本由伸 試合中断も異例の続投→五回も抑え初勝利の権利手にするも消滅 大谷に背番号譲ったケリーが乱調 ロッカーにてるてる坊主も
「ドジャース5-6カージナルス」(30日、ロサンゼルス) ドジャースの山本由伸投手が本拠地初のマウンドに上がり、4回無失点と好投していたが試合は中断。35分間のブランクをものともせず、五回も抑えて打線の援護を呼び込み、メジャー初勝利の権利を手にした。だが七回にケリーが大乱調で権利は消滅してしまった。 【動画】まさかのワンバン打ち!打った本人も捕手も大慌て 初回、雨が降り注ぐ中、先頭を変化球で見逃し三振に仕留めると、ゴールドシュミットにはストレートで押し込み最後は低めのスプリットで空振り三振に斬った。ゴーマンに対しても変化球を駆使して追い込み、大きな拍手に包まれる中、スプリットで空振り三振に仕留め、大歓声がわき起こった。 続く二回は先頭のアレナドを右飛に仕留めたが、カーペンターには速球で詰まらせながらも左前に落とされた。ヘレーラの補ゴロ間に得点圏へ進められたが、バールソンを2球で追い込み、3球目の低めスプリットで空振り三振に仕留めた。三回も危なげなく三者凡退。44球で序盤3イニングを投げ抜く完璧な内容。四回も上位打線を三者凡退に抑えた。 カーブが効果的に決まり、カージナルス打線をほんろうした山本。ソウルでの開幕第2戦では1回5失点でKOされていたが、セットポジションのグラブの位置を変えるなど、きっちりと修正してきた。 試合前、山本のロッカーには誰が作ったか分からない「てるてる坊主」がつるされていた。降水確率が高く、試合開催も危ぶまれるドジャースタジアムでは試合前から雨がぱらつく時間帯もあった。五回表が始まる前に雨脚が強まり、試合は中断。山本はベンチでマウンドに向かうそぶりを見せたが、引き返した。その後、ベンチ裏へ引き揚げ、ロバーツ監督と投手コーチも後を追うように山本のもとへ向かった。 球団は日本時間11時40分に試合を再開すると発表。メジャーでは中断を挟んだ際、投手交代となるのが一般的だが、山本は続投。ベンチからマウンドへ向かうと大きな拍手と歓声がわき起こった。2死から二塁打を許したが、後続を打ち取りスコアボードにゼロを刻んだ。直後にフリーマンのタイムリーなどで待望の2点。メジャー初勝利の権利を手にした。 しかし七回、大谷に背番号17を譲り、ポルシェをプレゼントされたことで話題になったケリーが3失点の乱調で逆転を許す展開に。権利は消滅してしまった。試合は延長戦に突入したが、最後は大谷が凡退し激戦の末に敗れた。