【実録】「そんなに長く取るの?」10ヶ月の育児休業を取得した30代男性社員を退職に追い込んだ、「イクボス宣言企業」の些細な言動とは? 企業は退職を防ぐためにどうすれば良かったのか?
復帰前面談が実施されなかった
育児休業が残り1ヶ月となり、Aさんは復帰前面談の日程相談のため会社に連絡しました。しかし会社からは「女性社員は体調の問題などのため実施しているが、男性の場合は不要なので復帰前面談は実施しない」との返答があったそうです。 Aさんは「この瞬間に会社に失望した」そうです。「男性初の長期育児休業社員で、イクボス宣言をして『仕事と育児の両立推進』を掲げていた会社として聞きたいことがあるのではないか?」Aさんはそう考えていましたが、会社からは全くそういう要望はなかったのです。
Aさんの退職を防ぐにはどうすれば良かったのか?
結局Aさんは育児休業から復帰して2ヶ月で退職しました。「この会社では仕事と育児の両立に励んでも、評価されないだろう」と考えたからです。今回のケースでは、会社の行為が嫌がらせには当たらないとAさんも認識しています。 しかしAさんは「そんなに長く取るの?」という言葉や、復帰前面談の未実施の理由を伝える言葉など、仮に女性相手であれば決して言われなかった言動、行為が数多くあり、そのような発言を無意識にする上司や役員がいる会社では働きたくないと考え、退職に踏み切ったそうです。 会社側の立場になって考えてみると、育児休業を取得したいと言ってきた男性社員に対して「この発言は相手が女性社員でも言うか?」と考えるだけでも、無意識な思い込みに気づくことができます。 従業員の退職や信頼を損なう危険性を回避するためにも、会社が男性の育児休暇取得に際し、十分に配慮する必要があるといえるでしょう。 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部
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