「黒目を大きくしたい」という強い欲求…なぜカラコンは若い女性たちに支持されるのか
カラコンのカラーとデザイン
渡辺直美プロデュース『N’s COLLECTION(エヌズコレクション)』は、ブルー系、グリーン系など、日本人離れした明るめのカラーもラインナップされています。しかし、日本で販売されているカラコンの多くは、日本人の虹彩に多く見られる暗めのカラーが充実しています。 虹彩は生体認証に用いられるように、虹彩の色やパターンは一人ひとり異なります。虹彩の色は、虹彩に含まれるメラニン色素の量によって異なります。メラニン色素は、有害な紫外線から身体を守る役目を担っています。 日本人の虹彩にはメラニン色素が多く含まれているので、黒っぽい色をしています。しかし、真っ黒ではなく、茶色です。茶色といっても、赤み、黄み、灰みの強さは人それぞれ異なります。明るい茶系のカラコンは、緑みを帯びたヘーゼル(薄茶色)、オレンジみを帯びたアンバー(琥珀色)といった名称がつけられています。 虹彩の輪郭も瞳の印象を左右する重要な要素です。輪郭がくっきりしている人は目力が強い印象になり、輪郭がぼんやりしている人は穏やかな眼差しになります。カラコンも着色部の輪郭がデザインの重要な要素となっています。輪郭を強調したデザインはサークルレンズと呼ばれ、黒目の印象を強調します。輪郭をグラデーションやドットでソフトに表現したものは、瞳に馴染みやすくナチュラルな仕上がりになります。 カラコンは、裸眼からかけ離れたカラーやデザインを選ぶと、瞳に馴染まず浮いてしまいます。自分の虹彩の色やパターンをよく観察することが大切です。
カラコンのユーザー層の実態は?
マイボイスコム株式会社が行った『コンタクトレンズの利用』に関するインターネット調査によると、視力矯正を目的として、コンタクトレンズを使用している人は2割弱。10~30代の女性では各50%台となっており、若い女性たちはメガネよりもコンタクトレンズを利用する人が多いことがわかります。 また、直近1年間にカラーコンタクトレンズを利用した人は約3%ですが、10代・20代の女性は約26%。カラコンを利用する目的として、「ファッションやメイクのアイテムの一つとして使う」「理想の顔に近づけたい」などをあげています。カラコンはメイクと同じように、おしゃれの可能性を広げてくれます。おしゃれに敏感な若い女性たちを惹きつける魅力があるのです。 ところで、視力矯正が必要な人はどれくらいいるのでしょうか? 2023年11月28日、文部科学省が公表した2022年度の学校保健統計調査によると、裸眼視力が1.0未満の小学生は37.8%(前年比1.0ポイント増)、中学生は61.2%(同0.5ポイント増)、高校生は71.5%(同0.7ポイント増)というように、学年が上がるほど視力が低下する傾向がみられます。