能登半島地震6週間 「初めて買ったので」……元ピアノ教師は“宝物”を処分 3 連休でボランティア続々 被災の高校生は炊き出し
日テレNEWS NNN
能登半島地震は発生から6週間。ボランティアが3連休に石川・輪島市を訪れ、活動に汗を流しました。輪島市役所では、市外で避難生活を送る高校生が炊き出し。七尾市の和倉温泉にある公衆浴場では源泉は戻ったものの、断水の影響で営業できずにいます。
■3連休…各地から輪島にボランティア
約6300棟(9日時点)の住宅が被害を受けた、石川・輪島市。10日からの 3 連休でようやくボランティアの受け入れが始まり、12日朝も県内外から約30人が到着しました。 栃木から来たボランティア 「この3連休に自分の精いっぱい何かできることをやろうと思い、来ました」 11日も最大震度4の地震が起きた能登地方。二次災害に注意しながらの活動が続きます。
■地震で一部の音が出なくなったピアノ
12日、輪島市。自宅で約60年間、ピアノ教室を営んできた女性は、ボランティアを依頼しました。「もう使えないピアノですから。ただ私が自分で買った初めてのものだったので」。地震の影響で一部の音が出なくなり、処分することを決めました。 徐々に解体され、6人がかりで外へ運び出されます。女性は「ありがとうございました。生涯覚えておきます」と、ボランティアに何度も頭を上げました。 大切に使ってきた思い出のピアノ。女性は「私腰が悪いので、本当に良かったです、今日は。宝物の役目を果たしてくれたので、こうやって役目果たしてくれたんだなと思ってあきらめます」と言いました。
■輪島市役所には高校生たちの姿が
輪島市役所では12日、「豚汁2つ!」「はーい!」と元気な声が響いていました。市外で避難生活を送る輪島高校の生徒らが、炊き出しを行いました。 受け取った人は「自分たちも被災者なのに、こうやってボランティアで人の助けになろうという、その気持ちがすごいなと思って」と感心した様子です。 炊き出しを企画した高校1年生 「同じ地震、揺れを経験したからこそ共感できる部分も多いと思うので、他の被災者の方と共感し合いながら前を向けたらいいなと思っています」
■「今までの疲れをとってほしい」
普段なら観光客などでにぎわうはずの、3連休最終日の12日。石川・七尾市の和倉温泉では、人の姿はまばらでした。 公衆浴場「総湯」の社長は「(温泉自体が戻ったのは)2~3日前ですね」と言います。ようやく源泉でお湯をためることができるようになったものの、今も断水が続き、温度調節などができないため、休業を余儀なくされています。 水道さえ復旧すれば、3 月下旬の営業再開を目指しているということです。 社長 「やはり震災に遭われた方が最初にね、今までの疲れをとっていただきたい。ここが早く始めれば日帰り客が来て、街がにぎわう。その後に旅館さんもにぎわう、というふうになればいいと思います」 (2月12日『news zero』より)