シリア戦出場の日本代表16人を金田喜稔が採点 最高点2人「激変させた」…唯一の「物足りない」評は?
鎌田が見せた「最高級のパス」 シリア戦前半のMVPを選ぶなら…
<MF/FW> ■遠藤 航(リバプール)=★★★★☆(→後半17分OUT) 3バックの展開力が高く、パス回しの面で遠藤の負担は小さくなっており、とりわけ前半は余裕をもって、いいタイミングといいポジションでボールを受けていた。3バックの恩恵を受けた1人とも言える。さまざまなところに顔を出し、守備でも積極的なボールハントが光った。 ■鎌田大地(ラツィオ)=★★★★☆(←後半17分IN) PKを獲得する前に出したパスは圧巻。相馬の抜け出しに合わせて、あの最高級のパスを通せるのが鎌田の凄さであり、歴代の指揮官も魅了された能力の1つだろう。それほどプレー時間は長くないが、そのなかでも見せ場を作った。欲を言えば、より攻撃に絡む姿を見たかった。2試合を通じて「ボランチ鎌田」のポジティブな可能性を示した。 ■田中 碧(デュッセルドルフ)=★★★★☆(→後半28分OUT) 遠藤よりも前線に上がる意識が強く、意識的に高い位置取りもしながら相手陣形の穴を狙い続けた。守備のタスクもこなしながら、前線に上がる回数も多く、自ら攻撃の形を作れるのは大きな魅力。ゴールはなかったが良い働きを見せていた。 ■川村拓夢(サンフレッチェ広島)=★★★☆☆(←後半28分IN) 地元でのプレーとあって気合も入っていただろう。縦の推進力に加え、決定的なパスやシュートを繰り出せるのが川村の魅力だが、この日は短いプレー時間で大きな見せ場は作れず、やや物足りない出来。とはいえ今は代表で着実に経験を積んでいる段階。まだまだ飛躍できる存在で、海外でもステップアップできる能力を持っている。 ■堂安 律(フライブルク)=★★★★☆ 前半は久保との距離感も良く、非常にやりやすそうな印象を受けた。ゴール場面では、堂安の思い切りの良さと技術が際立った。あそこで中に切れ込んですぐさま左足を振り抜き、しかもニアサイドを撃ち抜くのは、見ている以上に高度なプレー。それを難なくこなすのが堂安の魅力。前半は右ウイングバックとして可能性を大いに見せつけた。 ■中村敬斗(スタッド・ランス)=★★★★★(→ハーフタイムOUT) 抜群。前半1番良かったと言える出来。シリア戦前半のMVPを選ぶなら中村だろう。上田へのアシストは絶品だったし、堂安のゴールも中村の圧巻パスが起点。中村が絡めばチャンスという雰囲気を醸し出し、実際にピッチ上で体現。要所で「凄い!」と思わせるプレーを連発してくれた。 ■伊藤洋輝(シュツットガルト)=★★★★☆(←ハーフタイムIN) 左SBとしてプレーし、ビルドアップでさまざまなボールの捌き方を見せてくれた。南野のゴールは伊藤のインターセプトから生まれたもので、出足の鋭さや判断もプラス材料。6月シリーズの2試合を通じて安定したパフォーマンスを披露した。 ■久保建英(レアル・ソシエダ)=★★★★☆(→後半17分OUT) 堂安のゴールにつながったドリブルも良かったし、オウンゴールにつながった仕掛けも評価できる。自分のシュートでゴールを狙っていたのはひしひし伝わってきたし、結果的に相手にも脅威を与えていた。前半のシャドーの位置で自由を与えると伸び伸びとプレーして生きるし、堂安との関係性も良かった。