トランプ氏が「勝つ」か「負けたことを受け入れないか」という究極の選択になる可能性も 米大統領選
各州の共和党の党員集会に入れてもらえない「反トランプ」の共和党員 ~バイデン大統領に投票する可能性も
飯田)本選を見据えても、かなり現実味を帯びてきている。激戦州を全部獲れば雪崩のような勝利になりますね。 須田)ただし、「万全なのか」と言うとそうでもありません。いわゆる党員集会は各州の党の事務局が行いますが、そこがほぼトランプ支持者によって乗っ取られているような状況なのです。各州の党本部が一色になっていて、トランプさんに対して否定的あるいは批判的な人たちは、共和党の党員集会に入れてもらえないような状況になっている。ところが本選になれば、そういった人たちも有権者なわけですから、一体誰に投票するのか。下手をするとバイデンさんに投票する可能性もあります。 飯田)党議拘束的なものがあるわけではない。
6割が「反トランプ」の無党派層の動きがどうなるのか
須田)もう1つは、かなりの割合を占める無党派層です。そのうち6割が「反トランプ」だと言われています。トランプさんの場合は、トランプ党とも言えるような「共和党のトランプ支持者をどう固め、無党派層にどう浸透していくか」が今後の選挙でのポイントになります。トランプさんに批判的な人は強力・強烈な批判層ですから、絶対にトランプさんには入れないのです。「その辺りの動きがどう出てくるのか」が注目ポイントになると思います。 飯田)世論調査にはまだ表れていないのでしょうか? 須田)そうですね。
「トランプ氏が勝つ」あるいは「負けたことを受け入れない」という究極の選択に
飯田)ギリギリまでわからないということですか? 須田)蓋を開けてみないとわかりませんが、これにもまたリスクがあります。世論調査を見るとトランプさんが圧倒的有利なのに、本選で負けたとなると、また「選挙は盗まれた」という主張の再現になる可能性が高いです。 飯田)前回は議事堂襲撃事件もありましたが、さらに先鋭化した場合、大変なことになりますね。 須田)今回の大統領選でも、敗北したら敗北したで選挙結果を100%受け入れないでしょう。未だにトランプさんは2020年の大統領選挙の結果を受け入れていないのですから。つまり「トランプさんが勝つか、あるいは負けたことを受け入れないか」という究極の選択になり、ますますアメリカの分断が深まっていく。これだけは間違いないでしょうね。 飯田)それが世界に与える影響も大きい。