福俵曳き熱く 長野県安曇野市豊科
長野県安曇野市豊科の新田区と成相区で13日、市無形民俗文化財の伝統行事「福俵曳(び)き」がそれぞれ行われた。両区とも法被姿の若衆約20人が稲わらで作られた重さ約60キロの福俵を各区内で曳き回し、「わっしょい! わっしょい!」と威勢のいい掛け声を響かせた。 新田区の福俵は新田公民館を出発し、国道147号を北上して矢原堰で俵を水に漬けて清めた。区の若手男性有志による常盤会のメンバーが時折走りながら曳き回した。藤倉栄二区長は「区の行事の意識が新型コロナウイルス禍で薄れてしまっているが、昔のように活気ある行事にできれば」と願った。 成相区の福俵は成相コミュニティセンターを出発し、八坂神社の境内を流れる川の水で俵を清めた。豊科消防署や安曇野警察署などを元気に巡った。自宅の新築祝いで福俵の奉納先となった寺田一樹区長は「皆さんにお祝いをしてもらい、さらに盛り上げて楽しい区にしていきたい」と意欲を語っていた。 途中のうなぎ割烹(かっぽう)大黒屋では「福を運んでくれる方のお手伝いができれば」と、両区の若衆にみそ汁とおにぎりが振る舞われた。国道沿いに設けた成相区拝殿の前では両区が合流し、若衆がそれぞれの福俵を中心に回りながら、競い合うように何度も豪快に福俵を空中に持ち上げた。
市民タイムス