「銃向けられるよ」ミュージシャンSUGIZOが難民支援を続ける中で衝撃を受けたこと
先日4月6日に開催された一般社団法人アースデイジャパンネットワーク主催の「アースデイジャパンオープニングイベント2024」に、日本で初めてアースデイグローバルアンバサダーに任命された、ロックバンドLUNA SEA/X JAPAN/THE LAST ROCKSTARS/SHAGのギタリスト&ヴァイオリニストSUGIZOさんが登場。 【写真】コンサートは大盛り上がり!難民キャンプの子供たちとSUGIZOさん。 本イベントで語られたことをお届けする2回目の本記事では、以前から難民キャンプなどに訪れて支援活動を続けて来たSUGIZOさんが「命」にどのように向き合ってこられたのかについてお届けする。 SUGIZO 作曲家、ギタリスト、ヴァイオリニスト、音楽プロデューサー。日本を代表するロックバンドLUNA SEA、X JAPAN、THE LAST ROCKSTARSのメンバーとして世界規模で活躍。ソロアーティストとしても独自のエレクトロニックミュージックを追求し、映画や舞台のサウンドトラックなども手がけている。
実際に難民キャンプに行ったことで気づけたこと
LUNA SEAの活動休止期間中に地球環境について深く学び、自身のライブにも環境に優しい仕組みを取り入れるなど実践されてきたSUGIZOさん。構成作家/サウンドデザイナーでありアースデイジャパンネットワーク共同代表の谷崎テトラさんと取り組む、支援や平和、環境保全などのメッセージを込めた楽曲製作を行う音楽ユニット「S.T.K.」の活動も続けているが、それに加えて以前から、頻繁に難民キャンプを訪れて現地での支援活動も行なっている。 「実は、20年ほど前の時には、公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン(旧:日本フォスター・プラン協会)で、貧国地域に暮らす農村の子供たちに寄付をして、その地にいくつもの診療所を作ったり、その村の開発の手伝いなどをしていたんですが、そういった活動をしていくうちに難民の方々の支援をしたいと思うようになりました。それで2010年ぐらいから国連UNHCR協会のスタッフの方々と活動を共にするようになったんです。 当初は金銭的なサポートをさせていただくことが多かったんですが、2016年に実際に現地に行ってみることになったんです。初めは縁あってシリアの難民の方々のキャンプに行くことになったのですが、先方から『もしいらっしゃるなら是非演奏してくれませんか? 』と声をかけていただいて。僕としては『いやいや、滅相もない』『難民の皆さんの前で音楽をするのはむしろ不謹慎なのでは』と思っていたんですね。それでも先方は『皆さん喜びます』とおっしゃられて。ヨルダンには2つの難民キャンプがあったのですが、結局そこに行って現地で楽器をお借りして、急遽演奏をさせていただくことになったんです。そうしたら全く想像していなかったのですが、現地の皆さんがものすごく喜んでくれたんです。 皆さんシリアから命からがら避難してこられたわけですが、難民キャンプにはエンタメがほとんどないわけですよ。命はなんとか守ることができた、ひとまず寝ることもできる、着るものや食べ物も一応ある。そうなると、人って次の段階として“心の充足”を求めるんだと思うんですよね。難民キャンプで生活している人こそエンタメを必要としているんだ、と実際に行ってみたことではじめて僕も知ることができました。 当時伺った際には、敬虔なムスリムの方も多くいらっしゃって、女性だと髪や肌を隠すためのヘジャブを着用することで表情や感情を見せないようにされていたり、なかには目元しか見えないという方も多かったのですが、そういう女性の方々が音楽を聴いて踊ったり歌ったりするんです。そんなふうに喜んでくださる姿にとても感動して、それ以降いわゆる金銭的なサポートとかメッセージによるサポートも大切ですが、極力音楽を、喜びを届けに行きたいと思うようになって、それ以降何度も難民キャンプに行くようになりました」