田中史朗 引退後の夢は日本代表HC「厳しいコーチ」…涙の引退会見で「体がきつい。本当に限界を感じた」
ラグビー元日本代表SHでW杯3大会に出場した田中史朗(東葛)が24日、都内で会見し、涙ながらに今季限りで現役引退することを表明した。 【写真】田中史朗、元アスリートの美人妻を顔出し!夫婦ショット 黒のスーツ、青のネクタイを締め、大きく息を吐くと、ゆっくり口を開いた。「わたくし田中史朗は今季終了をもちまして、現役を引退することを決めましたので、皆様にご報告させていただきます」と涙をこらえながら、思いを語った。 田中の会見の問答は以下の通り。 ―現役引退を決めた理由は。 「日本代表終わってから何年もプレーさせていただいて、本当に体がきついというのがまず1つ。そして、下の世代からも、すごくいいプレイヤーが出てきてるというのも、本当に悲しくもあり、うれしくもあった。日本のラグビーがすごくレベルアップしていて、僕の今のパフォーマンスで現役を続けることが、正直いいのかなという部分もあった。ずっと考えながらやってきて、もう本当に限界というものを感じてこういう決断にいたりました」 ―現役生活で印象に残った試合は。 「自分は出ていなかったんですけども、やっぱり(15年)ハイランダーズの優勝の瞬間は覚えています。日本代表ではやっぱり(15年W杯で金星を挙げた)南アフリカ戦。本当に日本の皆さんに感動というものを届けられたんじゃないかなと思う。あの試合が一番印象に残っています」 ―ラグビー文化を日本に根付かせたいと話していたが。今後、どういう環境を築いていくべきか。 「昔よりもラグビーが少しずつ文化になって、日本に根付いてきていると思います。やっぱり一番大事なことは、日本代表が勝つこと。あとは小さい頃からラグビーに携われる環境をつくっていけば、もっといいラグビーの環境ができて、子供たちの成長にもつながるのではないかなと思っています」 ―将来的に日本代表のヘッドコーチになりたい理由は。 「やっぱり選手として日本代表で試合に勝つことの喜び、ファンの皆様が喜んで頂ける、そういう喜びを感じられたので、それをもう一度味わいたいんです。でもやっぱりプレーヤーとしてずっとこう継続することはできないので、次はコーチになってそういう部分を選手に味わってもらいたい。日本の皆様に感動を届けられるようなチームをつくっていきたいという思いがあります」 ―どんなヘッドコーチになりたいか。 「厳しさがあるヘッドコーチは絶対に日本には必要だと思うので、厳しいコーチ。その中で人間として選手と一緒に戦っていけるように。家族のような、何でも話せるような間柄になっていけたらいいと思います。もちろん奇麗事だけではなれないと思うので、これからもいろんなコーチングを学びながら、周りの人とのつながりというものも大事にしながら、将来的にはやっていければいいなと思っています」 ◆田中 史朗(たなか・ふみあき)1985年1月3日、京都市生まれ。39歳。伏見工、京産大を経て2007年に三洋電機(現・パナソニック、埼玉)入り。横浜(旧キヤノン)を経て21年から東葛(旧NEC)。13年~16年はハイランダーズでスーパーラグビーに参戦。日本代表は08年に初選出され、11、15、19年W杯出場。通算75キャップ。ポジションはSH。166センチ、72キロ。家族は妻と1男1女。
報知新聞社