【楽天好き】創設20周年企画:「選手が満足のいくプレーで笑顔になれるよう、最高のサポートを」。一軍トレーナーリーダーの原添一徳さん
ところが、時間になっても選手が現れない。待ちあぐねた後、フェルナンドが球団に呼び出されていて、「来季の契約を結ばない旨」を通知されたと知った。いわゆる戦力外通告である。
「こんなにも突然に別れが訪れるのかと…。この仕事の重さを痛感した瞬間でした。だから選手をサポートする時は、日々その瞬間にできることを必ずやり切なければならないのだと。常に手を抜くことなく、最高のサポートをしなければ…と改めて胸に刻み込みました」。
◆一喜一憂しすぎるので、リセットするために チームのため、選手のため、日々の献身を誓う原添さんは自らを「ワーカホリック」と自虐する。その原動力は、働き者の母の背中だと明かす。
「母が1人で働いて育て上げてくれたのを見てきたので、自然と僕もそうなったんだと思います。サラリーマン時代は週6勤務でしたし、今も毎日ずっと仕事漬けになったとしても苦になりません」。
「ただ、性格的に選手の状況や気持ちに共感しすぎてしまうところがあるので、リセットするためにサウナに行きます。まあ結局、サウナ浴しながらも仕事のことを考えてはしまいますが、3~5セットほど繰り返すとリフレッシュするんです」
何でもないように5セット入るというのには目を見張ったが、原添さんは「カピカピになるまで入りますよ」と、ニカッと笑う。そんな親しみやすい人柄もあって、鍛えられた体躯をチーム内でいじられるようだ。原添さんは、それもありがたいことと毎朝のようにトレーニングに励む。
「でも、トレーニングも、より良い仕事をするためにしています。自分の“スイッチ”が入れられるんですよ。選手たちが来る前にトレーニングルームに行って、身体を動かして刺激を入れて、喝を入れる感じです。確かに仕事人間ですけど真面目一辺倒ではないですよ。いじられては僕もおちゃらけます。やっぱり楽しくやりたいじゃないですか」。
陽気な雰囲気を漂わせつつも、日々選手と真摯に向き合う原添さん。「やはり身体を触る仕事なので、ものすごくエネルギーを使う仕事ですが、楽天野球団のい一員であることに誇りをもっています」。