「公立別学は不合理」でも「女性差別撤廃のためはおかしい」 前宮城県知事が講演 埼玉県教委の姿勢批判も
埼玉県立男女別学高校の「共学化」議論を巡って27日、浅野史郎前宮城県知事がさいたま市中央区内で講演した。「税金で運営されている公立高校で別学は理屈に合わない。不合理だ」と訴えた。 【記事一覧はこちら】埼玉県立高校「共学化」議論
浅野氏は1993年に宮城県知事に就任。在任中の95年に宮城県教育委員会が県立男女別学校の共学化の検討を図る方針を示し、浅野氏の知事退任後の2010年に全ての県立高校を共学化した。浅野氏は講演で、自身が知事を務めた05年までの宮城県内の動向などについて振り返った。 講演会は共学推進を求める市民団体「共学ネット・さいたま」(清水はるみ代表)が主催した。浅野氏は教育委員会の独立の観点から県教委が主体となって共学化を推進したとし、「教委が強い信念で進めた。私も『反対の声が大きくなったらやめましょう』は頭になかった」と話した。 一方で「女性差別をなくすために共学化するというのは論理的におかしい」と、埼玉県の議論の発端である県男女共同参画苦情処理委員に寄せられた苦情とは一線を画す姿勢を示した。 埼玉県教委が現在行っている中高生を対象とした共学化アンケートについては「アンケートすること自体が(県教委に)主体性がない」と批判。共学化をするかどうかについて「決めるのはあなたがた(県教委)だ」とした。
浅野氏は講演で「埼玉県は別学を残すというなら信念を持ってやればいい」「宮城県(教委)は強い信念を持っていた」と述べるなど、共学化に対する埼玉県教委の姿勢を疑問視する主張が少なくなかった。 ただ、埼玉県教委はアンケートや県立高校の生徒、関係者に対する意見聴取の結果について、いずれも8月末までに提出する報告の参考にするとはしているが、賛否の多数のみで共学化するか否かを判断する方針は取っていない。
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