近大和歌山、PK戦の末に初芝橋本を下し初V
令和5年度 和歌山県高等学校サッカー新人大会は11日、やたがらすサッカー場で決勝戦を行ない、近大和歌山と初芝橋本が対戦。両者譲らず延長戦、PK戦までもつれた結果、近大和歌山が0-0(PK3-2)で勝利し、初優勝を飾った。 【フォトギャラリー】近大和歌山 vs 初芝橋本 初芝橋本は昨年度から主力が大きく入れ替わった上に、年末の選手権に出場したため、他校よりもチーム作りは進んでいない。対する近大和歌山は「昨年のチームがほぼ残っている」(DF4嵜山仁、2年)ことが今年のチームの強み。11月の選手権予選で負けてから、チーム作りを行なってきたため、現時点での力関係は明白。藪真啓監督は「この新人戦に関しては僕らの方が良いゲームをしたいと思っていた」と口にする。 開始直後にMF10松林優(2年)のシュートがクロスバーに直撃するなど、蓋を開けてみても近大和歌山が主導権を握った状態でゲームは進んでいくが、県勢最多の選手権出場回数を誇る初芝橋本の戦いぶりはしたたか。「いかに泥試合に持ち込めるか」という阪中義博監督の策が上手くハマる。 嵜山を中心に自陣でテンポ良くボールを動かしながら、MF6佐久間瑛介(2年)とMF8中俊哉(2年)の両ワイドに対角線へのボールを差し込んでいくのが近大和歌山のスタイル。無理して配給元を抑えるのではなく、サイドに入った所での対策を講じて、簡単にゴール前で仕事をさせない。攻撃のキーマンである松林に対しては常に監視の目を光らせることで、高い位置で仕事をさせないようにした。 それでも、近大和歌山は攻撃を前進させると、前半23分には藪監督が「久しぶりのストライカータイプ」と期待を寄せるFW9山本優志(1年)がPA内で振り向きざまのシュート。こぼれ球を佐久間が狙ったが、再びクロスバーに嫌われた。26分と32分には右サイドからクロスを上げられたが、初芝橋本はGK1江田悠輝(2年)やDF4福本悠ニ(2年)の好対応によって先制点を与えない。嵜山が「決めるべき所で決められないのが自分たちの課題」と反省を述べたようにチャンスを作れる今年の良さとともに近大和歌山の課題が見えた展開になった。 「前半は0-0。1点入ればスーパーラッキー。後半も簡単には入らないけど、絶対に刺すチャンスが出てくると話していた」。阪中監督の言葉通り、初芝橋本にとっては狙い通りの展開。後半2分には右クロスのこぼれ球から、MF14西川知樹(2年)がゴールを狙うなど一瞬の隙を突いてゴールを奪いにいく。20分には途中出場のFW18後藤恒之介(2年)が左を抜け出しクロス。FW9四元大悟(2年)がニアで潰れて、逆サイドからゴール前に入ったMF中西虎太郎(2年)がフリーでシュートを放ったが、歓喜の瞬間は訪れず、両者無得点のまま前後半を終えた。