『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』衝撃の結末を、ホアキン&監督が説く【ネタバレあり】
※この記事には、映画の重大なネタバレが含まれます。ご注意ください。 公開されるやいなや世界中で賛否両論を巻き起こし、いよいよ10月11日(金)より日本でも上映されている問題作『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』。主演のホアキン・フェニックスと監督のトッド・フィリップスが、“衝撃のラスト”について、それぞれの考えを語っている。 【写真】ガガ豹変!『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』のドラマチックな衣装の数々 第1作『ジョーカー』(2019)の5年ぶりの続編となり、トッド・フィリップスが再び共同脚本と監督を務めた今作は、トークショーの生放送中に司会者を殺害したジョーカーことアーサー・フレックがアーカム州立病院に収容され、裁判を待つなかで、謎の女リー・クインゼル(レディー・ガガ)と出会い、激しい恋に落ちる様子が描かれる。
物語の終盤、アーサーはジョーカーとしての自分を捨て、第一級殺人罪で有罪判決を受けるが、爆破テロ事件のどさくさに紛れ法廷から逃走。しかし、再び捕まり病院に連れ戻される。そして、ある若い囚人に声をかけられる。
『IGN』の取材に対し、ホアキンはこう語っている。「あのシーンには、温もりがありました。そこがいいんです」 「あそこで感じていたのは、ジョークを話そうと緊張している若者がいて、その緊張が伝わり、私はちゃんと彼の話を聞こうとしている、ということでした。あれはなかなかいい前振りだなと感じました」 だが、コナー・ストーリーが演じているその若い名もなき囚人は、アーサーにジョークを伝えると、アーサーを何度もナイフで刺す。そして、倒れるアーサーの脇で、笑いながら自らの顔にもナイフを突き刺し、口を引き裂くのだった――。
いっぽうフィリップス監督は、このエンディングについて次のように答えている。「アーサーは、自分らしくいてもいいんだという考えや、その苦悩に折り合いをつけ、安らぎを見出したのだと思います。これは彼が常に葛藤してきたことなのです。わかりますか?」 「彼はある意味、自分らしくいることで安らかに死んだのだと、私は考えたいです。ラストで、アーサーが面会者に会いに行く途中、若い囚人が彼に『ジョークを聞きたいか?』と尋ねる場面がありますが、あそこでアーサーは面会に来ているのはリーだと思っているかもしれません」 「面会者が誰なのかは実際にはわかりませんが、アーサーが持つあの楽観主義は、まだ彼の中に残っています」 「アーサーは、『ああ、もちろんだよ』という感じで若者の問いかけに応じます。なぜなら、彼は誰かを笑わせたいという気持ちを知っているからです。ですからアーサーは、若者にその瞬間を与えてあげるんですよね」