「実はパスタはイタリア発祥ではない」日本在住マッシが明かす、意外すぎる“パスタトリビア”
さらに細く種類を分けてみると、パスタの種類は一気に増える。それはイタリア人も知らないパスタの世界と言っても過言ではない。パスタといっても原材料は小麦粉以外にもさまざまな粉が使われているものもある。 【原材料の種類】 スペルト小麦、トウモロコシ粉、米粉、キヌア粉、蕎麦粉、豆粉(ひよこ豆、エンドウ豆、レンズ豆)、大豆粉、麻の実、さまざまな種類(トウモロコシ、キヌア、米など)を混合した粉。
パスタの生地も一般的なデュラム小麦のセモリナ(粗挽き)、全粒粉入り、卵入りやなしの生パスタ、糖質オフのパスタ、生地にほうれん草やトマトが入ったものなど、種類もさまざま。
さらに麺の表面も、滑らか、粗い、ギザギザしているものもあり、写真のように、職人さんが想像できる形のほとんどがパスタになり得る。
これらを見ると、パスタのコンビネーションは無限だと言っても過言ではない。さらにソースの種類の多さを加えると、毎日違うパスタを食べたとしても、一生で全種類を食べ切ることはできないだろう。
トリビア③ 日本はアレンジパスタ帝国だった
日本のパスタ事情を見ると、ショートパスタだとグラタンのような使い道が多い。グラタンのような料理は、イタリアではどちらかというとミートソースも加えられたラザニアに近い気がする。日本のようにベシャメルソースのみにパスタとチーズを加えてオーブンで焼き上げるという料理は、日本に長く住んでいる僕にとって新発見だった。 ラザニア自体も日本では人気がある料理だろう。その理由のひとつは、ラザニアが既に日本人の口に合うグラタンのような料理だからだと言える。 日本ではロングパスタが大人気だ。イタリアのように熱いうちに食べるのが正義な料理もあれば、日本で夏によく見る冷製パスタもある。日本人にとってパスタのキングといえば、おそらくスパゲッティになる可能性が高い。蕎麦とうどん、そうめんとよく似た形で違和感がなく、安心できる。
日本に住み始めた頃、パスタ大国出身の僕が腰を抜かした料理があった。イタリア人から見ると考えられない組み合わせの「納豆とオクラ」「大根おろしと大葉&醤油」「ケチャップソース」などの和風パスタだ。 イタリアの食文化のシャッターが一瞬で閉められるようで、これはイタリア料理とはまったく別の知識が必要だと、当時はフォークを置いてしまった苦い思い出がある。現在ではもちろん大好きなメニューで、特にケチャップソースのナポリタンは定期的に食べたくなる。 イタリアのパスタはどの国に行っても愛食されていて、現地で食べたものでも自分で作ったものでも喜んでいる人が多い。その理由のひとつはパスタの食べやすさ、ふたつはアレンジしやすいシンプルさだろう。それぞれの国にある味と食べ方によく合うし、調理法も茹でるだけで簡単だ。 イタリアのオリーブオイルと日本のワサビは組み合わせると最強の味になる。調理する気がない時に茹でたパスタにオリーブオイルとワサビをかけて混ぜれば想像以上に美味しく出来上がる。 ― マッシ|エッセイスト&通訳 (@massi3112) April 26, 2022 日本に住んでいる僕も、イタリアのパスタと日本のワサビとの素晴らしいであろう組み合わせを思いついて作ってみたら、涙が出るほど美味しかった。それを、X(旧Twitter)に出したらバズってしまった。 ワサビ以外にも、おすすめの食べ方がある。気になるあなたはぜひ、シンプルなトマトソースに醤油を掛けてみてほしい。イタリアで考えられない美味しいマリアージュが生まれるだろう。