【いわき平競輪・GⅠ日本選手権】伊藤旭が自在戦で勝利、松尾透はビッグ初出走で勝ち上がり
<30日・いわき平競輪・初日> <九州王国 再興へ> 初日、九州勢で唯一の勝利を挙げたのが伊藤旭。10Rで森田優弥の番手を狙うなど前々に攻め、直線で中を割って伸ばした。 赤板1半で前に出ようとする森田に対し、「宿口さんが遅れていたのが見えた。勝手に体が動いた」と内から森田の番手に切り込んだ。若手自力型だが、隙があればすぐさま付け入る俊敏性、自在性を持ち合わせている。3車並走の真ん中になっても、「怖かった。何もできなかった」との口調とは裏腹に、ひるむことなく戦った。 残り1周で4番手に入って突き抜け、「1着が取れたので、悪くはない。でも園田さんに悪いことをしました」。伊藤のトリッキーな動きもあって園田匠が敗退となり、喜びは半分。「最近はしっかり自力を出して、バックを取る競走を心がけている。信頼を得られるように。今回もできればしっかり駆けたかった」と反省したが、先行も位置取りも何でもできる選手こそ、敵にとっては嫌な存在。まさにその点で、伊藤はできることの範囲を広げているところだ。最後には「精神状態を落ち着かせて走りたい」。高ぶる気持ちを抑えて冷静に、3日目以降の2予からGⅠ初の準決を目指す。
今回の九州勢の勝ち上がり第1号はビッグ初出場の松尾透。補欠からの繰り上がり出場。それが初日2R、直線で伸ばして3着で勝ち上がった。「みんな強いので、2予に行けるとは思わなかった。ダービーを楽しみたい」。デビューから15年目のGⅠ出走を笑顔で喜んでいた。