35人クラスの1~2人はDCD(発達性協調運動症)!? 日々の生活に困るほど不器用な発達障害の一種。就学後、影響が出ることも【専門家に訊く・前編】
早期に療育などの専門機関につなげてサポートを
DCDは、早期に療育などの専門機関につなげるのが理想です。完治するものではありませんが、専門家からサポートを受けることで、時間はかかってもじょじょに苦手なことができるようなっていきます。また専門家のサポートを通して、苦手なことに取り組む術を子ども自身が身につけていきます。 ◾️園や小学校の先生と情報を共有 DCDは、前述の通り「はさみ、じょうぎ、コンパス、楽器などの道具を上手に使えない」「なぞり書きが苦手・マスから字がはみだす」といったほか、姿勢よく座っていられないなどもあり、園や小学校の先生から注意を受けやすい傾向があります。 先生のなかにはDCDという発達障害があることを知らない方もいます。そのためママ・パパから子どもの特性について話し、先生と情報共有することが大切です。 園や小学校では、DCDの子どもが苦手とする活動が多いです。ママ・パパから先生に「うちの子、跳び箱はできていますか?」「着替えが遅くないですか?」など、子どもの様子を聞いて、先生に子どもの特性を伝えておきましょう。 後編では、家庭でできるサポートについて紹介しています
お話をうかがったのは 東恩納拓也先生|作業療法士 作業療法士、博士(医学)、特別支援教育士。東京家政大学健康科学部リハビリテーション学科助教。作業療法士として臨床、研究、教育に従事するとともに、幼稚園、保育園、学校などへの訪問支援や地域支援事業者との連携などを行う。著書に『運動の不器用さがある子どもへのアプローチ 作業療法士が考えるDCD<発達性協調運動症>』(クリエイツかもがわ)がある。
取材・文/麻生珠恵