【ソフトバンク】城島健司氏が新設「CBO」就任 事実上のフロントトップ「ホークスを未来に」
ソフトバンクの城島健司会長付特別アドバイザー兼シニアコーディネーター(48)が21日、来年1月1日付で新設される「チーフベースボールオフィサー(CBO)」の就任会見を福岡市内のホテルで行った。同職は外国人調査やトレード、ドラフトなどの編成業務を取り仕切る実質的なフロントトップ。現役時代に9年間一緒にプレーした現場トップの小久保裕紀監督(53)との二人三脚で、王イズムを継承した常勝ホークスづくりに力を尽くす。 ◇ ◇ ◇ スーツ姿で登壇した城島氏の表情は、いつも以上に引き締まっていた。来年1月1日付で新設されるチーフベースボールオフィサーの就任会見。力強く所信表明した。「20年、30年後の未来に、王さんが作ってきたこのホークスというチームをつなげていきたい」。CBOは直訳で「最高野球責任者」。事実上のフロントトップに位置づけられる大役に使命感を募らせた。 会見には小久保監督も同席した。2人はダイエー時代から王貞治球団会長(84)の下で9年間ともにプレー。福岡移転後のホークスの低迷期、初優勝、日本一と苦楽をともにしてきた。城島氏は「小久保監督の考え方はすごく理解している」と自負。小久保監督も「やっと地に足つけて野球だけに向き合う時間がきたなと。心強く思っています」とタッグ結成を喜んだ。 城島氏は強調した。「一番大事なのは王貞治というすごい人物と、我々組織は一緒に仕事をしている。世界的に見ても1人の人間が軸となって、30年以上も携わっている球団はない。その方が作り上げてきたチームを知ってもらうことが役目です」。弟子のフロントトップと現場トップが王イズムを継承。常勝軍団であり続ける組織を目指す。 今季は打撃、守備、投手など各部門のコーディネーターを統括する役割を担った。指揮官との意見交換は月1、2回ほど。来シーズン中は毎日、意見交換を行う。「仕事上で言い争って、来年の僕らは仲悪くなっている可能性もありますよ。でも、それぐらい膝を突き合わせていかないと、チームは良くならない」ときっぱり。小久保監督も「立場が違って意見が同じなわけがない」と大歓迎だ。いい選手を育て、強い組織であり続けるために本音でぶつかり合う。城島氏は新外国人の獲得調査や、トレード、ドラフトと編成業務すべてを統括。4軍まであるチーム全般を取り仕切る。 チーム強化に本腰を入れるため、地元で12年間も続いた長寿番組「城島健司のJ的な釣りテレビ」は降板することになった。「非常に残念ではありますけど(番組を)やりながらというのは厳しいです」。球団編成によりコミットし、小久保監督との二人三脚でリーグ連覇と5年ぶり日本一奪還へ突き進む。【佐藤究】 ◆城島健司(じょうじま・けんじ)1976年(昭51)6月8日生まれ、長崎県出身。別府大付(現明豊)から94年ドラフト1位でダイエー入団。強打の捕手として99、00、03年の優勝に貢献。05年オフにFAでマリナーズに移籍し、09年オフに阪神で日本球界復帰。12年限りで引退した。03年パ・リーグMVP。ベストナイン6度、ゴールデングラブ賞8度受賞。19年オフにソフトバンクの球団会長付特別アドバイザーに就任し、今季からはシニアコーディネーターを兼任している。現役時代は182センチ、89キロ。右投げ右打ち。 ◆城島氏と小久保監督 小久保がダイエーに入団した1年後の95年に城島も入団。99年は主に4番小久保、5番城島でクリーンアップを組み、ダイエーのリーグ初優勝と日本一に貢献。00年もともに主力としてリーグ連覇を達成した。その後、小久保が03年オフに移籍するまで9年間同じチームで戦った。小久保がヘッドコーチとしてホークスに復帰した21年からは、球団会長付特別アドバイザーだった城島氏と、現場とフロントの立場で共闘する形になっている。