パリ五輪の施設、新たな場所へ 移設作業着々
【AFP＝時事】今夏のパリ五輪で使用されたプールは今、解体され、移設の準備が進められている。 【写真7枚】コンコルド広場やエッフェル塔前でも進む会場の解体作業 今回の五輪では多くの仮設会場が使用され、パリ西部のラ・デファンス・アリーナ（La Defense Arena）内に造られたこのプールもその一つだった。 パリ大会は費用と二酸化炭素（CO2）排出を抑えるべく、史上最も仮設施設の使用に力を入れた。過去の五輪では、新設された会場が大会が終わった途端に無駄になる問題があり、それを避けるための手段でもあった。 競泳用の50メートルプールは、パリ郊外のセーヌサンドニ（Seine-Saint-Denis）県スブラン（Sevran）に移設される予定となっている。スブランは移民や貧困層の多い地区で、住民1人当たりに対するプール施設の数は、全国平均の約4分の1しかない。 プールには競泳男子で4個の金メダルを獲得したレオン・マルシャン（Leon Marchand、フランス）の名前が付けられる予定だ。プールは大会組織委員会から寄付されるが、運営費のほとんどは地元自治体が負担する。 組織委のエドアルド・ドネリー（Edouard Donnelly）事業本部長は、このプロジェクトを通じて「五輪は有益で、人々がスポーツをするきっかけになる」ことを伝えられると述べた。 ラ・デファンス・アリーナで使用された練習用プールは二つに解体され、一つはセーヌサンドニ県のバニョレ（Bagnolet）で25メートルプールとして新しく生まれ変わる。 フランス本土で最も貧困率が高いとされるセーヌサンドニ県には、五輪関連の公共インフラ支出の約80パーセントが集中した。パリ五輪で新たにできた常設会場は三つだけだが、そのうちの一つであるアクアティクスセンターもセーヌサンドニに造られた。 パリ市内の歴史的な名所に造られた仮設スタジアムの足場の解体も始まっている。 コンコルド広場（Place de la Concorde）に建設された「アーバンパーク」のBMX会場はすでに解体が完了している。すでに仏アルプス（Alps）のクリューズ（Cluses）に送られ、2027年に行われる世界大会で再利用される予定となっている。 エッフェル塔（Eiffel Tower）の目の前に造られたビーチバレーボールのコートの砂は、セーヌサンドニ県のマルビル（Marville）にあるスポーツセンターに運ばれた。 解体によって大きな損傷がなければ、スケートボードパークの一つがマルビルヘ、もう一つは南部モンペリエ（Montpellier）へ送られることになっている。 パリ近郊エランクール（Elancourt）に造られたマウンテンバイクのコースは、来年4月から地元のライダーらが利用できる施設に改装される。【翻訳編集】 AFPBB News
