都市型スポーツ「パルクール」世界大会で銀メダル…水戸の塩幡選手「五輪初の金メダル取りたい」
北九州市で11月に行われた都市型スポーツ・パルクールの世界選手権で、水戸市の塩幡睦大選手(27)が銀メダルに輝いた。国際体操連盟はパルクールの五輪種目入りを目指しており、塩幡選手は「五輪初の金メダルを取りたい」と、更なる高みを目指している。(吉村悠)
パルクールはフランスで考案された軍隊訓練が起源で、街の中で障害物を乗り越えたり、壁を蹴って空中回転したりする。塩幡選手は世界選手権で、宙返りの難易度や構成などを採点する男子フリースタイル部門に出場。予選はギリギリの8位で通過したが、決勝は技の難易度を上げ、鉄棒に似た障害物から体を回転させながら下りる技などを見せて2位に食い込んだ。
常磐大高時代には、体操部で全国大会にも出場し、仙台大でも体操に打ち込んだ。しかし、大学4年の頃にパルクール選手の動画を見たのがきっかけで転向。「体一つで地球を相手にできるのが魅力」で、のめり込んだという。卒業後は一度は就職したが、「本気で向き合いたい」と2年半で退職した。
水戸に戻り、自宅の庭に鉄棒などの練習設備を設けた。他の選手がSNSに投稿した技を見て研究。体操の技術も生かす。何度も練習を重ねて技の成功率を上げていった。
昨年は大会に出場しても予選落ちすることが多く、引退も考えたという。だが、こつこつ積み重ねてきた練習が花開き、今回の世界選手権の決勝はノーミスだった。
18日には茨城県庁を訪れて大井川知事と面会。知事は「五輪を目指してほしい」と激励した。面会後、塩幡選手は「来年は二つの世界大会で優勝したい」と意気込みを語った。