【第4回】老後貧乏にならないために、今から準備できることは?その1
変額型の個人年金ってどういうもの?
今までお話してきた個人年金は、いわゆる「定額型」というもので、契約時に何歳までいくら支払えば、何歳から何年間、いくら受け取れるかが確定をします。 個人年金にはもうひとつのタイプがあり、それを「変額型」といいます。保険料の支払いは、一時払いタイプのもの、毎月保険料を積み立てるタイプのものなどがあります。定額型と違うのは、支払った保険料が投資商品で運用されるため、将来受け取れる年金額が運用次第で変わるということ。この変額型には、支払った保険料(元本)の保証があるものとないもの、また積立て期間中に死亡した場合の死亡保障額に最低保証があるものやないものなど、色々なタイプがあります。 支払う保険料は、いくつかの選択肢の中から、何で運用するかを選択することが可能です。保険会社によって選択肢は変わりますが、国内株式、外国株式、国内債券、外国債券などがあります。複数のものを組み合わせることも、途中で変更することも可能です。 ** また、変額型には、定額型にはない「諸費用」というコストがかかることにも注意が必要です。主に、 (1)契約初期費用(契約時に、一時払金額の数%など) (2)運用関係費用(運用する際にかかる費用で、積立額に対して年率でかかる) (3)保険関係費用(死亡保障等を準備するための費用で、積立金額に対して年率でかかる) (4)解約控除(契約から一定期間内に解約すると掛かる費用。短期解約時のペナルティだと思うと分かりやすいかも)** などがあります。これらのコストは場合によってはかなりの金額となるケースもありますので、契約前に必ず確認しておくようにしましょう。
定額型と変額型のどちらが良いかは一長一短があり一概にはいえませんが、以下のように考えてみてはどうでしょうか。 <定額型> 投資のリスクを負わず、コツコツと一定額を確実に準備したいという人向け <変額型> ある程度のリスクを負ってでも、老後の資金をなるべく大きく殖やしたいという人向け 定額型は、インフレに弱いという意見もありますが、インフレで価値が目減りするということは、毎月積み立てている金額の価値も目減りしている(=積立て額の負担が軽減している)ということ。であれば、インフレが進む段階で、積立額を増やせばこのリスクはある程度回避できるのではないかと思います。問題なのは、インフレが進むことではなく、対策を取らず放置しておくことだと思います。 次回は、個人年金以外の準備方法について考えてみたいと思います。