「マイナ保険証」12月2日から本格移行 どう向き合う?利用者の声
青森朝日放送
12月2日から健康保険証の新規発行が終了し、マイナンバーカードと保険証が一本化された「マイナ保険証」への本格移行がスタートしました。今後、マイナ保険証とどう向き合っていくか。青森市の医院で聞きました。 青森市長島にある髙屋医院では、患者の6割から7割を高齢者が占めます。 マイナ保険証での受け付けは、まず、カードリーダーにかざし、4桁の暗証番号、または顔認証で本人確認。そして、病院への情報提供に同意する・しないを選択して終了です。スムーズに行えば30秒もかかりません。 【女性】 「慣れてしまうと楽ちんですね、その通りにやれば良いだけですから」 (Q.現状便利さは感じているか?)「ちょっと怖いなという面のほうが勝ってるかもしれない。とりあえずやってみて、使ってみて良ければOKかなと」 一方、マイナ保険証での受け付けに慣れていきたいと思いつつも、不便さを感じている方もいます。 【女性】 「(マイナ保険証だと)毎日出してくださいと言われるので、普通の保険証だったら1カ月に1回提出すればいいじゃないですか」 (Q.廃止になることについて?)「やっていかなきゃならないので、やりますけれども、私だけじゃなくて皆心配はあるんじゃないかしら」 従来の健康保険証で受け付けした男性は… 【現行の保険証で受付した男性】 「これから1年間かけて移行になるので、どこかの期間では切り替えるつもりです」 「社会自体がデジタル化に進んでいくのはすごく良いことだと思う」 では、病院側のメリットはどういった点があるのでしょうか。 【髙屋医院 髙屋善章院長】 「事務の手続きが、(マイナ保険証を)入れるとコンピューターにつながるから、その点は楽みたいですね」 事務手続きの簡略化や、患者が薬の処方履歴、受診歴の情報開示に同意すると病院側がそれを確認できるといったメリットを挙げました。 ただ、規模が小さい医療機関では、そこまで大きなメリットは感じないと髙屋院長は話します。 【髙屋医院 髙屋善章院長】 (Q.マイナ保険証への完全移行に向けて?)「マイナンバーカードはだいぶ持っている人は多いみたい。それをちゃんと使えているか、使えていないかの問題がある」 マイナ保険証での受け付けは意外と簡単だなという印象ですが、トラブルを報告している医療機関もあります。 青森県保険医協会が行ったアンケートでは、県内の医療機関のおよそ7割でトラブルを経験していて、主なものでは「旧字体などの影響で漢字が読み込めない」「カードリーダーの接続不良や認証エラー」などが挙げられています。 ただ、今回取材した病院では、高齢の方も自分でマイナ保険証を使って受け付けしていて、マイナ保険証に慣れようという姿勢がみられました。 では、マイナ保険証をまだ持っていない人はどうすれば良いのでしょうか。青森市の国保医療年金課に聞きました。 【青森市国保医療年金課 佐々木潤一課長】 「12月2日からこれまでの保険証が使えなくなる、ということではなくて」 「不安になっている方も、医療機関にはこれまで通り受診できますので」 青森市国保医療年金課によりますと、市役所駅前庁舎の窓口でマイナンバーカードと保険証をひもづける手続きを行う人の数は、4月時点で月に200件ほどでしたが、徐々に件数が増え、11月は900件を超えました。 従来の健康保険証は、加入する保険の種類によって有効期限が異なりますが、最長で1年間、今までどおり使えます。また、有効期限を過ぎてマイナ保険証を持っていない人には、「資格確認証」が自動的に届く仕組みとなっていますので、それを持って医療機関を受診するよう呼び掛けています。 【青森市国保医療年金課 佐々木潤一課長】 「来年の更新時には、手続きしなくても『資格確認証』が送られてきますので、そういったところをご理解いただければ、今慌ててというところは、そんなに心配はないのかなと言う風に受け止めております」 マイナ保険証を現時点で持っていない人でも、切れ目なく医療は受けられます。ただ、従来の保険証は最長で2025年の12月1日までということです。焦る必要はありませんが、マイナ保険証への移行を計画的に進める必要があります。