(写真：ファミ通.com)

文：カワチ 発表と同時に体験版が配信され、一気に話題に 　いまから2年前の2022年（令和4年）3月4日は、Nintendo Switch用ソフト『トライアングルストラテジー』がスクウェア・エニックスから発売された日。 【記事の画像（7枚）】を見る 　ドット絵と3DCGを融合させたグラフィック“HD-2D”を使ったゲームの第2弾。存在が初めて公になった“Nintendo Direct 2021.2.18”（ニンテンドーダイレクト）を受けて、過去にスクウェアが生み出してきた名作シミュレーションRPGの再来を予感したファンは大盛り上がり。さらに発表と同時に体験版も同時公開されるサプライズはうれしかったですね。 　ストーリーは塩と鉄の利権を巡って3国が争いをくり返してきた“ノゼリア”大陸が舞台。さまざまな立場の人間の思惑が交錯するストーリーで、主人公たち以外の視点も挿入される作りになっています。キャラクターの数は多いですが、ゲーム中にボタンを押すことでしゃべっているキャラクターの情報を見ることができるのが便利でした。ほかのゲームでも取り入れてほしいくらい（笑）。 　貴重な塩を奪い合うストーリー展開は序盤こそ「ちょっと地味かな？」と感じるものの、戦記モノとしてのリアリティがあります。物語を進めると、どの国にも謀略や根回し、利権争いなどの陰謀が渦巻いていることがわかり、その重い世界観に引き込まれていきます。政治と宗教、人種差別などの問題にも踏み込んでおり、深く考えさせられました。 　仲間キャラクターは幼いころから自身の世話をしてくれた執事であり軍師でもあるベネディクトや、忠誠を誓っている王家の第二王子であるロラン、政略結婚で嫁いできた許嫁のフレデリカなどで、戦争が進むなかで変わっていく彼らとの人間関係にも注目です。自分の正義を信じてあがく主人公のセレノアに感情移入すること間違いなし。 　特徴的なのが“信念”と“信念の天秤”のシステム。“信念”は主人公の選択によって“Moral”、“Benefit”、“Freedom”というパラメーターが変わり、シナリオが分岐したり、仲間になるキャラクターが変わる仕組み。“信念の天秤”は仲間たちの投票で重要な選択を決断するものですが、投票の前に説得することで意見を変えることも可能です。ただし、説得の結果は投票までわからないので緊張感があります。“信念の天秤”での選択に正解はないので、どれを選ぶか悩みます。 　登場キャラクターは前述のストーリーに絡むメインどころはもちろん、第5話以降に解禁される“挿話”で仲間になるサブキャラクターたちも魅力的。天候を操る祈祷師やサーカス団の団員、タル型のからくりなど、いろいろなバックボーンを持つ人物が仲間になります。前述の通り、信念のパラメーターやストーリーの分岐で仲間になるキャラクターは変化しますが、2周目以降は仲間を引き継げるので、周回プレイをすれば全員を仲間にすることがが可能です。 　バトルはクォータービューで、地形や障害物を利用しながら戦います。各キャラクターごとにある“TP”を使って、強力な技や魔法をくり出すことが可能。戦闘のマップはバリエーションが豊かで、攻略法を考えるのが楽しいです。難易度は4段階あってHardやNormalは難しいですが、いちばん簡単なVery Easyなら詰まることなくにエンディングまでたどり着けます。また、酒場の“想定バトル”を利用すれば経験値やゴールドを手に入れることができるので、苦戦を強いられる心配もなし。シミュレーション初心者にもやさしい作りです。 　2022年10月14日にはSteam版が発売されたほか、2023年6月13日には大型アップデートが配信。挿話やストーリーバトルを振り返るリプレイ機能が追加されたほか、“セレノアルート”のエンディングに至るまでの前日譚であるExtra Storyが追加されました。 　なお、2024年3月1日～3月4日の4日間、本作の4周年記念セールを実施中です。Nintendo Switch版（ダウンロード版）が50％オフで購入できるので、ぜひチェックしてみてくださいね！