1442人、涙雨のラストラン 第20回くすのきカントリーマラソン【宇部】
第20回くすのきカントリーマラソンは17日、万倉ふれあいセンター前を発着点とするコースで開かれた。フルマラソンと10㌔の2部門に、山形県から鹿児島県まで全国各地の市民ランナー1442人が出場。今回での開催終了を惜しむ〝涙雨〟が降りしきる中、宇部市北部地域の豊かな自然を楽しみながらゴールを目指した。同実行委員会(委員長・千葉泰久市体育協会理事長)主催。 出場者はフルマラソンの部に752人、10㌔の部に690人。開会式で千葉委員長は「自然を楽しみ、地域の人と触れ合い、ランナー同士の交流を深め、この20年の大会の歴史を心に刻みながら走ってほしい」とあいさつ。村岡嗣政知事、篠﨑圭二市長もランナーにエールを送った。 過去19大会すべてに出場してきた山村計さん(88)=末広町=は、最後の大会はフルマラソンに挑戦。「大会終了は本当に寂しい。最後なのでフルマラソンにチャレンジすることにした。完走できるか分からないが、楽しんで走りたい」とスタートを前に話した。
15年前から毎年会場の一角で、出場者や大会スタッフ向けに無料でぜんざいを振る舞ってきた国吉博美さん(65)=葬儀の国吉企画=は、今回も1000杯分を用意。「最初は地域貢献したいと思って市に掛け合って始めた。今回で最後になるのは残念で仕方がない。スタート前に体を温め、皆さんに頑張ってほしい」と話していた。 大会は、宇部市と楠町が合併した2004年度に第1回大会を開催。北部地域の活性化、健康づくり、スポーツ振興などを目的に行われてきた。多い時には2500人以上の参加者もあったが、近年は減少傾向にあったことに加え、高齢化に伴うスタッフ確保が難しくなったこと、北部地域活性化などに一定の役割を果たせたこともあり、20回の節目での大会終了となった。