<機動戦士ガンダム 逆襲のシャア>富野由悠季監督&出渕裕が振り返る 生の人間を描く ラストシーンの違和感
出渕さんは、シャアとナナイがナイトガウンを着て会話をするシーンを絶賛すると、富野監督は「演出家の作為がありますね。それが見えすぎていると、映画としてまとまっていないかもしれない。そういう意味で、あのシーンはあんまり好きではないですね。ちょっとやりすぎていて、嫌悪感がある。もう少し上手にやる必要がある」と振り返った。
出渕さんが「コンテ、編集がいいんですよ。キャラクターがしゃべっている途中で、次にせりふがあるだろうな……というところで、頭を残して切る。あれで、不思議なリズムが出る」と話すと、富野監督は「(富野監督の)編集が下手と言っている、庵野(秀明)というヤツがいた! でも、本当にびっくりしたのは、見直して、頭の3、4分の編集がうまいな!とびっくりした。長編映画を作っていく面白さというのは、リズム感で物語を語れるという部分があります。そういう意味では、それなりに頑張ってるんじゃないのかな、という気がするので、そこは見てください」と笑顔で語った。
出渕さんの分析、解説を受けて、富野監督は「全て正しいです。否定することがない。コンテを切っている時の違和感を全部思い出させてくれた。そういう意味では、正直びっくりしてます」と喜んでいた。
同映画祭は、長編アニメのコンペティション部門を設けたアジア最大級の祭典を目指し、新潟から世界にアニメという文化を発信していくのが狙い。第1回が2023年3月17日~22日に新潟市内で開催された。第2回は、3月20日まで開催される。