大規模災害想定で訓練 代替施設へ機能移転 八重山署
八重山警察署(仲里鍛署長)は12日午前、地震、津波などの大規模災害を想定した代替施設機能移転訓練を実施した。署員25人が参加し、同署の代替施設として協定締結している「石垣島土地会改良区中央管理事務所」(登野城)へ資機材などを搬送。災害警備本部を設置し、対応を確認した。 同日午前10時、署内に「石垣島南方で地震発生」と通達され、訓練が開始された。該当署員ら該当署員は一時屋上に避難し、庁舎の損壊状況などを確認した。その後、敷地内に集合し、仲里署長から代替施設への機能移転を命じられた。 午前10時20分ごろ、署員は車両数台に資機材や文書などを運び込み、庁舎から代替施設へ移動を開始。石垣島土地会改良区中央管理事務所に到着後は、駐車場内にテントを立て、災害対策本部を設置。40分ごろ、簡易アンテナを通じて、同署に移転完了の報告を行った。 署員は担当者から、衛星携帯電話、チェーンソーや簡易ヘルメットなどの災害時に使う資機材の研修を受け、使用方法などを確認した。交通課の担当者から災害時の緊急交通路についての講話も受けた。 仲里署長は「いざ災害が発生した際に、八重山地区住民の安全を確保するため、訓練を重ねて練度を高め、迅速な対応ができるようにしたい」と述べた。今年4月初旬に発生した台湾東部沖地震で、八重山管内を含む県内にも津波警報が発令されたことを念頭に「今年初めての訓練だったので、課題を検証し的確に対応する」と講評した。 同事務所は、同署代替施設として2016年に協定を締結。大規模災害時に同署の機能が低下した場合を想定し、災害対策本部を設置し、指揮系統機能を担う。同事務所は海抜約62㍍にあり、同署庁舎は18㍍。 同署は年に1度、機能移転訓練を実施している。